木造の18階建てオフィスビル「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画」の建設状況！構造材および内装・仕上げ材に国産木材を使用（2024.12.29） : 超高層マンション・超高層ビル

外観完成予想パース[出典：竹中工務店]

　日本橋で建設中の木造ビル「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画」(地上18階、高さ84m)の完成予想図です。建築主は三井不動産、設計者と施工者は竹中工務店で、三井不動産グループ保有林を含む1,100㎡超の国産木材を構造材に使用します。この記事では同ビルの概要や建設状況（2024年12月29日時点）、地図等を載せています。

西側低層部完成予想パース[出典：竹中工務店]

　「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画」は日本橋駅や三越前駅に近い昭和通り沿いの木造の超高層オフィスビルで、規模は地上18階、地下1階、高さ84m、敷地面積2,502.95㎡、建築面積1,547.69㎡、延床面積2万7452.22㎡となっています。構造は木造・鉄骨造、建築主は三井不動産、設計者と施工者は竹中工務店で2024年1月4日着工、2026年9月30日の竣工予定です。

　同ビルの一部のフロアには日本橋においては三井不動産初となる都心型の賃貸ラボ＆オフィス「三井リンクラボ」が計画されており、ライフサイエンス分野の企業を中心に希少性の高い本格的な研究環境が整備されます。

構造概要[出典：竹中工務店]

　同ビルでは三井不動産グループが北海道に保有する森林約5,000haの木材の一部を構造材および内装・仕上げ材に使用し、「植える→育てる→使う」のサイクルによる"終わらない森"創りに貢献します。

　ハイブリッド木造建築物の実現にあたっては、竹中工務店が開発した耐火・木造技術等を導入し、1時間～3時間耐火集成材「燃エンウッド」や鉄骨の耐火被覆に木材を用いる「KiPLUS TAIKA for CFT」、「KiPLUS TAIKA for BEAM」、そしてCLTを用いた耐震壁・制震壁が採用されます。これにより一般的な鉄骨造オフィスビルと比較して、躯体部分においては建築時のCO2排出量が約30％削減されます。

東側公開空地完成予想パース[出典：竹中工務店]

　同計画では「日本橋に森をつくる」のコンセプトのもと、日本橋における新たな緑の拠点として約480㎡の緑地が整備されます。

北側低層部外観完成予想パース[出典：竹中工務店]

　樹種の選定にあたっては、地域の景観との調和を意識しながら、蝶などのいきものが都心にも生息しやすい生物多様性に配慮した環境づくりが推進されます。

エントランスホール完成予想パース[出典：竹中工務店]

　同ビルでは、内装・仕上げ材にも木材を積極的に活用し、木ならではのやすらぎとぬくもりを五感で感じられる木造オフィスビルになります。

　エントランスホールは吹き抜け空間とし、壁には三井不動産グループの保有林の木材を使用し、天井には三井ホームが保有する木接合技術が活用されます。

オフィス専有部パース[出典：竹中工務店]

　事務所専有部においては木の構造部材に触れることができる現しとし、働きながら木に触れ、香りを感じられるオフィス環境が創出されます。

オフィス専有部イメージパース[出典：竹中工務店]

　オフィス空間の木質化については、オフィスワーカーの生産性向上等の効果が期待されており、内装の木質化と集中力向上やストレス低減の繋がりに関する調査も進められています。

位置図[出典：竹中工務店]

　建設地は東京メトロ「三越前」駅の東側で、上空には首都高上野線が通る昭和通りに面しています。最寄駅としてはJR「新日本橋」駅や東京メトロ・都営地下鉄「日本橋」駅も徒歩圏です。

　2020年12月18日にヘリから撮影した日本橋や東京駅周辺の超高層ビル群です。写真左下の矢印を入れた場所が「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画」の建設地で、日本橋の超高層ビル群とは少しだけ離れた場所となっています。

　計画地にズームです。当時は暫定施設として金魚の水槽を幻想的に演出した「アートアクアリウム美術館」がありました。

　2024年12月29日に昭和通り沿いの南東側から撮影した「(仮称)日本橋本町一丁目3番計画」(地上18階、高さ84m)の建設地です。

　現地にはタワークレーンが1基設置されました。また、奥で建設中のビルは少し前に載せた「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業 C街区」(地上52階、高さ283.96m)です。

　北西側から撮影。地上部の建設が始まると木造の構造材が見えるのか楽しみです。

　南西側から撮影。一部仮囲いには植物が採用されていました。

　仮囲いの中です。作業予定はお正月休みになっていたので現在の工程は不明です。

　建築計画のお知らせです。建築面積が1,549.21㎡から1,547.69㎡、延床面積が27,826.82㎡から27,452.22㎡、完了予定が2026年7月31日から2026年9月30日に修正されています。

■物件概要■
事業名：(仮称)日本橋本町一丁目3番計画
所在地：東京都中央区日本橋本町一丁目5-1～29
交通：東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前」駅
　　　東京メトロ東西線・都営浅草線「日本橋」駅
　　　JR総武本線「新日本橋」駅
用途：事務所、研究所、店舗
階数：地上18階、地下1階
高さ：84m（最高高さ84m）
構造：木造・鉄骨造
基礎工法：杭基礎
敷地面積：2,502.95㎡
建築面積：1,547.69㎡
延床面積：27,452.22㎡
建築主：三井不動産
設計者：竹中工務店
施工者：竹中工務店
工期：2024年1月4日着工～2026年9月30日竣工予定

▼竹中工務店：プレスリリース（2024年1月11日）
国内最大・最高層の木造賃貸オフィスビル着工「日本橋に森をつくる」 “終わらない森”創りを通じた持続可能な社会の実現に貢献

▼三井不動産：ニュースリリース（2020年9月29日）
三井不動産と竹中工務店、国内最大・最高層の木造賃貸オフィスビル計画検討に着手