完成イメージ[出典：中野区議会]
「中野サンプラザ」(地上21階、高さ92m)と「旧中野区役所」の跡地で計画されている大規模再開発「中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」(地上61階、最高高さ約262m)について、建設費高騰により事業者側が施工認可申請を取り消す手続きを行ったことが明らかになりました。2029年12月の竣工予定は事実上不可能になったことになります。この記事では同再開発の概要や現況（2024年8月24日時点）、地図等を載せています。
中野サンプラザについて
「中野サンプラザ」は中野駅前の三角形のビルで、規模は地上21階、塔屋1階、地下2階、高さ92m、敷地面積約9,530�屐�建築面積約4,632�屐�延床面積約51,009�屬箸覆辰討い泙后�
建築主は雇用促進事業団、設計者は日建設計、林昌二、三浦明彦、平井堯、施工者は大林組 フジタ工業 佐藤工業 共同企業体で1973年4月に竣工し、1973年6月1日には「全国勤労青少年会館」として開業し、2023年7月2日には閉館となっています。
地下にプール、トレーニングジム、音楽スタジオ、、ボーリング場、インターネットカフェ等、1〜4階にコンサートホール、5階に事務所、6階に結婚式場、7〜8階に研修室、9階にレンタルオフィス、10〜15階に宴会場、16〜19階にホテル、20階にレストランが配置された複合施設でした。
中野四丁目新北口駅前地区について
完成イメージ[出典：中野区議会]
「中野サンプラザ」と近隣に移転した「中野区役所」跡地で計画されいた「中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」の完成予想図です。規模は地上61階、塔屋2階、地下3階、高さ約262m、敷地面積約2万3460�屐�建築面積約1万8800�屐�延床面積約29万8000�屬箸覆辰討い泙后�事業者はヒューリックが抜けて野村不動産(代表)、東急不動産、住友商事、東日本旅客鉄道の4社、特定業務代行者は清水建設で2024年10月解体着手し、2026年4月に新築工事着工、2029年12月に竣工予定となっていました。
2024年10月11日に報道各社より、事業者側から建設費高騰により施行認可申請の取り下げがあったことが報道されました。各社記事によると事業費は当初より830億円多い2639億円が計上されていましたが、さらに人件費の高騰や資源高により工事費が900億円超の増額となる見通しとなり、24年度中の着工は困難になったとのことです。今後は現在のコンセプトや機能は変えずに事業者と計画内容を再検討するとされています。
断面図[出典：中野区議会]
高層棟のフロア構成は大まかに低層部が店舗、中層部が約1100戸の分譲住宅、高層部が事務所、そして最上部が展望施設を配置し、低層棟には7000人規模のホールやホテル、屋上広場などを配置する計画となっていました。
断面図[出典：東京都環境局]
高層棟と低層棟の断面図の詳細です。
配置図[出典：中野区]
高層棟は広場や歩行者デッキによって接続する中野駅側に配置し、ホールやホテルなどで構成される低層棟は北側に配置する計画でした。北西側へ斜めにショートカットするデッキは同事業とは別扱いのようなので、こちらがどうなるのかは不明です。
中野駅新北口から望む出会いの広場[出典：中野区議会]
建設中の中野駅新北口と繋がる予定の3階歩行者デッキから見た駅前に配置予定だった出会いの広場の完成予想図です。右奥に見ているいるのが既存の中野駅北口東西連絡通路です。
アトリウム内部のイメージ[出典：中野区議会]
高層棟と低層棟の接続部に整備予定だったアトリウムの完成予想図です。
中野通りから望む集いの広場[出典：中野区議会]
中野通り沿いの北東側には集いの広場が整備され、その隣にはホールが入る低層棟が配置する計画でした。
北西から望む屋上広場[出典：中野区議会]
低層棟には屋上広場が整備される計画でした。
ホールのイメージ[出典：野村不動産]
中野サンプラザの座席数は2222席でしたが、新しく整備するホールは最大7,000人規模で計画されていました。
展望テラスイメージ[出典：中野区]
ビルの最上部には展望エリアが設けられる計画となっていました。
位置図
位置図[出典：東京都環境局]
計画地は中野駅の北側で、現在は「中野サンプラザ」と「旧中野区役所」がある場所で、中野駅の真上で建設中の駅ビルとも接続して駅直結となる計画でした。
現況
2024年8月24日に撮影した現在の「中野サンプラザ」(地上21階、高さ92m)です。フェンスが設置されていますが解体工事は始まっていません。左は「旧中野区役所」で近くに建設された新庁舎へ移転しています。
これらの跡地に「中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」として地上61階、最高高さ約262mの超高層複合施設が建設される計画でしたが、建設費高騰により事業者側から施工認可申請を取り消す手続きが行われたとのことです。
解体前の建物の管理費や固定資産税は月2800万円とのことです。事業着手が遅れることでこの負担も続くことになります。
隣の「旧中野区役所」です。手前の低層棟部分には解体工事のお知らせが掲示されていました。
解体工事の名称は「中野四丁目新北口駅前地区中野区役所(低層棟)外1棟除去工事（旧区役所低層棟）で、解体の施工者は戸田建設、解体工期は2024年8月19日から2025年3月31日までとなっていました。
地図
物件概要（中野サンプラザ）
名称：中野サンプラザ
旧名称：全国勤労青少年会館
所在地：東京都中野区中野４丁目1番1号
交通：JR総武線・中央線「中野」駅
東京メトロ東西線「中野」駅
用途：集会施設／宿泊施設／スポーツ施設／音楽ホール／ホテル
階数：地上21階、塔屋1階、地下2階
高さ：92m
敷地面積：約9,530��
建築面積：約4,632��
延床面積：約51,009��
建築主：雇用促進事業団
設計者：日建設計、林昌二、三浦明彦、平井堯
施工者：大林組 フジタ工業 佐藤工業 共同企業体
工期：1973年4月竣工
開業：1973年6月1日
物件概要（中野四丁目新北口駅前地区）
工事工程表[出典：東京都環境局]
2024年10月から既存建物の解体工事が始まり、2026年4月に着工し、2029年12月に竣工予定となっていました。下記の物件概要も計画見直しにより大きく変わることになりそうです。
■物件概要■
事業名：(仮称)中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業
所在地：東京都中野区中野４丁目1番、8番
交通：JR総武線・中央線「中野」駅
東京メトロ東西線「中野」駅
用途：事務所、住宅、店舗、ホテル、ホール、駐車場等
総戸数：約1100戸
階数：地上61階、塔屋2階、地下3階
高さ：約262m（見地基準法の高さ約250m）
敷地面積：約23,460��
建築面積：約18,800��
延床面積：約298,000��
事業者：野村不動産(代表)、東急不動産、住友商事、東日本旅客鉄道
特定業務代行者：清水建設
工期：−
出典
▼日本経済新聞（2024年10月11日）
中野サンプラザ跡再開発、計画見直し 認可申請取り下げ
▼NHK（2024年10月11日）
「中野サンプラザ」再開発計画 再検討へ 東京 中野区
▼朝日新聞（2024年10月11日）
中野サンプラザ跡の再開発、計画見直しへ 事業費高騰「着手難しい」
▼東京都環境局：環境アセスメント（2024年8月24日）
「（仮称）中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」変更届
▼中野区議会（2024年6月19日）
中野駅新北口駅前エリアの市街地再開発事業の検討状況について
▼野村不動産：ニュースリリース（2023年11月16日）
中野サンプラザを含む中野駅新北口駅前エリアにおける市街地再開発事業 「中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」 都市計画決定のお知らせ
▼中野区：都市計画審議会（2023年11月14日）
都市計画審議会の開催状況（令和5年度）
※ 令和5年度第2回資料(諮問1・2)（PDF形式：41,387KB）
▼中野区：中野駅周辺まちづくり（2023年8月3日）
中野四丁目新北口地区に係る都市計画（案）の説明会を開催しました。
▼東京都環境局：環境アセスメント（2023年1月23日）
「（仮称）中野四丁目新北口駅前地区第一種市街地再開発事業」環境影響評価書案
▼野村不動産：ニュースリリース（2021年5月12日）
- 中野サンプラザを再整備する大規模複合開発 - 『中野駅新北口駅前エリア拠点施設整備事業』に関する基本協定書を中野区と締結
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