日本橋で建設中の「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業 C街区」(地上52階、高さ283.96m)です。2024年9月14日に撮影しました。低層部に商業施設・MICE、中層部にオフィス、高層部にホテル「ウォルドーフ・アストリア東京日本橋」、そして最上部に賃貸住宅が入る複合施設で、現在はオフィスフロア部の建設が行われています。また、高さ約284mは日本の超高層ビル高さランキングで第4位になります。この記事では同再開発の概要や建設状況、地図等を載せています。
日本橋一丁目中地区について
外観イメージパース[出典：三井不動産]
「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」は日本橋川に架かる橋『日本橋』の南東側一帯の超大規模再開発で、日本橋川沿いには低層のA街区とB街区、その背後にC街区の超高層ビルが配置されます。
C街区の規模は地上52階、塔屋2階、地下5階、高さ283.96m、敷地面積は1万5564.16�屐�建築面積は1万2590.79�屐�延床面積は37万4003.62�屐�建築主は日本橋一丁目中地区市街地再開発組合(参加組合員：三井不動産、野村不動産、野村ホールディングス)、設計者は日建設計、デザインアーキテクトはペリ クラーク ペリ アーキテクツ、施工者は日本橋一丁目中地区市街地再開発事業建設共同企業体(代表企業：清水建設)で2026年3月31日の竣工予定となっています。
敷地配置図/用途断面図[出典：三井不動産]
同再開発の西側は中央通り、東側は昭和通り、北側は日本橋川に面しており、日本橋川沿いにA街区とB街区、その南側にC街区が配置され、B街区とC街区は3階に整備されるデッキで接続します。南側の永代通りに面したD街区は既存の「日本橋一丁目三井ビル（コレド日本橋）」(地上20階、最高高さ120.818m)で、建替えはありませんが新設する地下1階通路と3階デッキによってC街区と接続します。これらA〜C街区のフロア構成は以下の通りとなっています。
■A街区
3階〜4階：業務施設
1階〜2階：店舗
■B街区
4階〜7階：住宅(51戸)
1階〜7階：店舗
■C街区
48階〜51階 ：サービスアパートメント(122戸)
50階 ：居住施設ロビー
47階 ：設備、機械室
42階〜46階 ：ホテル(197室)
40階〜41階 ：ホテルロビー、スパ等
39階 ：設備、機械室
23階〜38階 ：高層オフィスフロア（基準階面積：約1300坪）
22階 ：高層スカイロビー
21階 ：設備、機械室
11階〜20階 ：低層オフィスフロア（基準階面積：約1900坪）
10階 ：低層スカイロビー
7階〜8階 ：ビジネス支援施設
5階〜8階 ：MICE（カンファレンス施設）
地下1階〜4階：商業施設
C街区の高層部に入るホテルはヒルトンが運営する最上級ラグジュアリーブランドの「ウォルドーフ・アストリア東京日本橋」(全197室)の進出が決定しています。同ホテルには3つのレストラン、ラウンジ＆バー、屋内プール、スパ、フィットネスセンター、宴会場、チャペルが備えられる予定となっています。
48階〜51階の居住施設は建築物環境計画書制度によると総戸数122戸の賃貸住宅となっています。
断面図[出典：東京都中央区]
低層オフィスフロアと高層オフィスフロアの境目となる高さ116m地点でセットバックし、高さ207m地点で再びセットバックするところからがホテルとなります。サービスアパートメントの途中フロアとなる高さ252m地点でもさらにセットバックする構造となっています。
日本橋川沿い低層部外観イメージ[出典：三井不動産]
日本橋川に面したA街区(右)とB街区(左)の完成予想図です。A街区は大林組を施工者として既存の「日本橋野村ビル 旧館」の保存改修が行われ、B街区は野村證券本社の別館と本館の跡地に、地上7階、地下2階、高さ31.62m、延床面積6,573.85�屬療絞沺�共同住宅、駐車場等で構成されるビルが建設中です。
この完成予想図は首都高地下化後の図となっていますが、地下ルートの開通が2035年予定、高架橋撤去完了が2040年予定のため、竣工してもしばらくの間は目の前には首都高があります。
MICEエリア屋外デッキイメージ[出典：三井不動産]
C街区にはMICE施設として2つの大型ホール（最大収容人数：合計約3,000人）と会議室が配置され、屋外デッキも整備されます。
オフィスエリア屋外テラスイメージ[出典：三井不動産]
高層スカイロビーが配置される22階部屋外テラスの完成予想図です。描かれている人物から判断してオフィス入居者専用の空間になりそうです。
外観イメージパース[出典：三井不動産]
C街区の高さ283.96mは、完成時には日本で4番目、建設中も含めると日本で5番目、そして計画中も含めると日本で7番目に高い超高層ビルになります。以下は建設中・計画中も含めた日本の超高層ビル高さランキングです。
１位：Torch Tower（トーチタワー）（建設中）
地上62階、高さ約385m、2027年度末予定、東京都千代田区
２位：六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 A-1街区（計画中）
地上66階、高さ327m、2030年度竣工予定、東京都港区
３位：麻布台ヒルズ森JPタワー
地上64階、高さ325.49m、2023年6月、東京都港区
４位：あべのハルカス
地上60階、高さ300m、2014年3月、大阪府大阪市
５位：横浜ランドマークタワー
地上70階、高さ296.33m、1993年7月、神奈川県横浜市
６位：六本木五丁目西地区第一種市街地再開発事業 B街区（計画中）
地上70階、高さ288m、2030年度竣工予定、東京都港区
７位：日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業 C街区（建設中）
地上52階、高さ283.96m、2025年12月予定、東京都中央区
位置図
位置図[出典：三井不動産]
建設地は日本橋川に架かる「日本橋」の目の前で、東京メトロ銀座線・東西線「日本橋」駅とは地下通路で駅直結となり、都営浅草線「日本橋」駅とは新たに整備する新改札で駅直結となる予定です。
首都高地下化に伴い日本橋川沿いでは複数の再開発が動き出しており、同再開発の東側では地上40階、高さ約205mのオフィスビルと地上51階、高さ約213mのタワーマンションで構成される「日本橋一丁目東地区第一種市街地再開発事業」が計画されており、同再開発とはデッキで接続する計画となっています。
建設状況
2024年9月14日に日本橋を渡った先の交差点から撮影した「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業 C街区」(地上52階、高さ283.96m)です。現在はオフィスフロア部が建設中です。
北側からは中央通りの先に「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」が見えます。
中央通りを北側から南側へ移動するときは同再開発ビルに向かっていくような感じになります。
日本橋川沿いにあるビルの隙間から撮影。
日本橋川沿いでは地上7階、高さ31.62mとなるB街区の鉄骨が組まれ始めていました。右奥はA街区で既存の「日本橋野村ビル 旧館」の保存改修が行われています
B街区が完成してもC街区の高層部はここから見えそうです。
日本橋と銀座を結ぶアンダーパスの出入口がある交差点から撮影。ガラスカーテンウォールの設置が低層部から順に行われています。
東側を通るこの道路が昭和通りで、地下には都営浅草線が通っており、左側の方にある日本橋駅とは新設する改札口によって直結となる計画です。
南東側から撮影。都営浅草線はこの南東角の地下2階で接続するようです。
反対側の西側を通る中央通り沿いから撮影。右側に見切れているビルは「日本橋一丁目三井ビル（コレド日本橋）」(地上20階、最高高さ120.818m)で、同再開発ビルとは地下1階地下通路と3階に整備するデッキで接続する計画となっています。
手前の大きくセットバックしている部分の高さは116mで、隣の「日本橋一丁目三井ビル」よりは少しだけ低くなっています。
少し離れた西側から撮影。撮影時には37階まで到達しているように見えました。オフィスフロアは38階までで、39階の中間機械室を挟んで40階の高さ207m地点からがホテルとなります。
同じ日に江戸川区の某タワーマンションから撮影。周辺のビルと比べて感じからして撮影時の高さは200m近くに達しているかと思います。
地図
物件概要
C街区の建築計画のお知らせです。
■物件概要（C街区）■
事業名：日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業 新築工事(C街区)
ホテル名：ウォルドーフ・アストリア東京日本橋
所在地：東京都中央区日本橋１丁目32番
交通：都営浅草線「日本橋」駅 直結
東京メトロ銀座線・東西線「日本橋」駅直結
東京メトロ半蔵門線「三越前」駅 徒歩3分
JR線「東京駅」徒歩10分
用途：事務所、店舗、集会場、ホテル、共同住宅、駐車場等
総客室数：197室
総戸数：122戸(賃貸)
階数：地上52階、塔屋3階、地下5階
高さ：283.96m
構造：S造、一部RC造 及び SRC造
基礎工法：杭基礎、直接基礎
敷地面積：15,564.16��
建築面積：12,590.79��
延床面積：374,003.62��
建築主：日本橋一丁目中地区市街地再開発組合
参加組合員：三井不動産、野村不動産、野村ホールディングス
設計者：日建設計
施工者：日本橋一丁目中地区市街地再開発事業建設共同企業体（代表企業：清水建設）
工期：2021年12月6日着工〜2026年3月31日竣工予定
出典
▼東京都中央区：市街地再開発事業
日本橋一丁目中地区（PDF：23,765KB）
▼三井不動産：ニュースリリース（2024年4月2日）
三井不動産・東京電力エナジーパートナー、初の連携プロジェクト
「日本橋一丁目スマートエネルギープロジェクト」が着工
〜既存ビル含めた約50万m2の周辺地域へ、電気・熱の安定供給事業〜
▼三井不動産：ニュースリリース（2021年12月7日）
日本橋川沿い再開発第一弾、新たなランドマークとなる日本橋エリア最高・最大級のミクストユース開発
「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」着工
ZEB/ZEH認証・DBJ Green Building認証の取得など、次世代の新たな街づくりが始動
▼三井不動産：ニュースリリース（2020年10月27日）
ヒルトンの最上級ラグジュアリーブランド
「ウォルドーフ・アストリア東京日本橋」が日本初進出
〜三井不動産とヒルトンがブランディング及びマネジメント契約を締結、2026年に開業予定〜
▼日立製作所：ニュースリリース（2022年8月9日）
日本橋エリア最大規模の複合開発プロジェクトである「日本橋一丁目中地区第一種市街地再開発事業」向けの昇降機139台を一括受注
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