イメージパース[出典：内閣府]
池袋駅西口で計画されている超大規模再開発「池袋駅西口地区」の環境影響評価書案が公開されました。事業者は池袋駅西口地区市街地再開発準備組合（事業協力者：三菱、三菱地所レジデンス）と東武鉄道で2027年度から解体工事に着手し、2043年度には全体竣工予定となっています。同地区では地上50階・高さ約270m、地上41階・高さ約220m、地上33階・高さ約185mのオフィスやホテル、商業施設、共同住宅等が計画されています。この記事では同再開発の概要や現況、地図等を載せています。
池袋駅西口地区について
イメージパース[出典：東京都環境局]
「池袋駅西口地区」は池袋駅西口の大規模再開発で、A〜D街区に分けて再開発が行われます。
A街区（A棟）の規模は地上41階、地下4階、高さ約220m、敷地面積約6,010�屐�延床面積約13万9900�屐⊆舁徑囘咾六�務所、商業施設、公共公益施設、駐車場等で2036年度着工、2043年度竣工予定となっています。
B街区（B棟）の規模は地上50階、地下5階、高さ約270m、敷地面積約2万570�屐�延床面積約30万1200�屐⊆舁徑囘咾六�務所、商業施設、宿泊施設、駅施設、公共公益施設、駐車場等で2030年度着工、2040年度竣工予定となっています。B街区の低層部には東武東上線「池袋」駅があり、1線増線して4線化する改良工事も行われます。
C街区（C棟）の規模は地上33階、地下6階、高さ約155m（西棟）、高さ約185m（東棟）、敷地面積約6,850�屐�延床面積約14万1600�屐⊆舁徑囘咾六�務所、商業施設、宿泊施設、住宅、駐車場等で2030年度着工、2034年度竣工予定となっています。
この完成予想図には描かれていませんがC棟の裏にあるD街区は既存の池袋西口公園を中心とした公園になります。
配置図[出典：東武鉄道]
計画地は池袋駅西側一帯でA街区は板状の超高層ビルとなるA棟と交通広場が整備されます。また、B街区には池袋エリアで最も高い高さ270mの超高層ビルとなるB棟が建設され、線路沿いのB棟低層部となっている場所は東武鉄道単体による再開発になります。
C街区はオフィス棟と住宅棟で構成されるツインタワー（建築基準法上では1棟扱い）が配置され、D街区は既存の池袋西口公園がある場所となっています。
計画建築物断面図(A-A'断面)[出典：東京都環境局]
A棟（地上41階、地下4階、高さ約220m）の低層部は商業施設となり、中高層部がオフィスフロアとなります。
B棟（地上50階、地下5階、高さ約270m）の低層部は商業施設となり、中高層部がオフィスフロア、そして最上部が外資系のグローバルブランドホテルと商業施設になります。ホテルはA棟のオフィスフロアよりも高い位置になります。
計画建築物断面図(B-B'断面)[出典：東京都環境局]
B棟の駅施設がある低層棟部は高さ約60mの商業施設になります。
C棟（地上33階、地下6階）は、高さ約155mとなる西棟と高さ約185mとなる東棟に分かれており、両棟の低層部は商業施設、西棟の中層部がライフスタイルホテル、高層部が住宅フロアとなり、東棟の中層部が商業施設（アート・カルチャー育成支援施設）、高層部がオフィスフロアとなります。
都市基盤の整備方針[出典：内閣府]
同再開発ではアート・カルチャー都市の玄関口として、北デッキや駅まち結節空間、大屋根広場などが整備されます。
池袋西口公園を中心とした歩行者空間形成イメージ[出典：内閣府]
既存の池袋西口公園を中心としたエリアには、アート・カルチャーの活動拠点として連続的に繋がる歩行者空間を整備します。交通広場と池袋西口公園 GLOBAL RINGを繋ぐ空間には半屋外の大屋根広場が整備され、東京芸術劇場やGLOBAL RINGに並ぶ第3の劇場空間を目指します。また、屋外型劇場空間として既に整備されているGLOBAL RINGに面した建物低層部には、テラス等を整備することで立体的な劇場空間となります。
池袋西口公園[出典：東武鉄道]
池袋西口公園にあるGLOBAL RINGは残り、東京芸術劇場と呼応したアート・カルチャーを体現する空間が創出されます。
中央駅まち結節空間のイメージ[出典：内閣府]
中央駅まち結節空間のイメージ[出典：東武鉄道]
中央駅まち結節空間は、中央地下通路からの歩行者を地上へ誘導するアトリウム空間となります。
北駅まち結節空間のイメージ[出典：内閣府]
北駅まち結節空間はデッキ、地上、地下を繋ぐ吹き抜けとなり、北デッキから地上への連続性が感じられるアトリウム空間になります。
デッキアトリウムのイメージ[出典：内閣府]
北デッキに繋がるアトリウムは開放感のある吹き抜けの空間になります。
東武鉄道上空広場[出典：東武鉄道]
そのアトリウムの北側の東武東上線線路上空には池袋大橋まで繋がるデッキが整備されます。
広場平面及び取組のイメージ[出典：内閣府]
その東武東上線上空広場は歩行者専用空間となり、芝生やプランター植栽、ストリートファニチャー等により憩い・潤いを感じされる広場とし、さらには日常的にアートカルチャーに触れることのできる滞留・誘導・交流の場となります。
イメージパース[出典：東武鉄道]
夜景バージョンの完成予想図です。図の右下では「IT TOWER TOKYO」(地上27階、高さ140.124m)が建設中で、池袋駅前に巨大な超高層ビル群が誕生することになります。
位置図
位置図[出典：東武鉄道]
「池袋駅西口地区」の計画地は池袋駅と劇場通りに挟まれた池袋駅西口前の一帯で、北側はみずき通り、南側は東京芸術劇場やメトロポリタンプラザが境界となっています。また、B街区は東武東上線「池袋」駅の直上も含まれており、1線増線して4線化する改良工事も計画されています。
池袋駅はJR山手線・埼京線・湘南新宿ライン、東武東上線、西武池袋線、東京メトロ丸の内線・有楽町線・副都心線といった複数の駅・路線が広範囲に広がっていますが、ここはどの駅にもアクセスしやすい好立地となっています。
現況
2014年にセスナから撮影した池袋駅西口側です。赤い網掛けをした場所が「池袋駅西口地区」で、A街区には地上41階、高さ約220m、B街区には地上50階、高さ約270m、C街区には地上33階、高さ約155m・約185mの超高層ビルが建設され、D街区には公園が整備されます。
2024年2月に「サンシャイン60」の展望室から撮影した池袋駅方面です。まずは先行街区としてB街区とC街区が2030年度に着工予定となっており、後行街区となるA街区は2036年度着工予定となっています。
B街区に建設される高さ約270mの超高層ビルは、日本の超高層ビル高さトップ10に入る高さとなりますが、竣工はまだまだ先の話しなのでその頃にはトップ10圏外になっている可能性もあります。
2024年2月に西口の駅前広場から撮影したA街区方面です。この辺りには交通広場が整備されます。
西側から撮影したA街区方面です。ここから池袋駅前にかけて大規模な交通広場になります。
西口の駅前広場から撮影したB街区方面です。この辺りに池袋エリアでは最も高い高さ約270mの超高層ビルが建設されます。
南西側から撮影したB街区方面です。
西口の駅前広場から撮影したC街区方面です。
北西側から撮影したC街区です。ここには高さ約155mと約185mのツインタワーが建設されます。
南西側から撮影。低層部は商業施設となり、ツインタワーのこちら側（西側）の高層部は住宅フロアとなります。
池袋西口公園があるD街区です。
D街区のGLOBAL RINGは残るようですが、大屋根広場が整備されるなど大きく変わります。
地図
物件概要
工事工程[出典：東京都環境局]
解体も含む工期は2027年度〜2043年度で、組合施工範囲は北側と南側に分けて工事が行われ、東武施工範囲は駅施設も含むためかなり長い工期となっています。
■物件概要■
事業名：池袋駅西口地区及び池袋駅直上西地区第一種市街地再開発事業
所在地：東京都豊島区西池袋一丁目の一部
交通：JR各線「池袋」駅
東武東上線「池袋」駅
西武池袋線「池袋」駅
東京メトロ各線「池袋」駅
主要用途：
A街区：事務所、商業施設、公共公益施設、駐車場 等
B街区：事務所、商業施設、宿泊施設、駅施設、公共公益施設、駐車場 等
C街区：事務所、商業施設、宿泊施設、住宅、駐車場 等
D街区：公園
階数・高さ：
A街区：地上41階、地下4階、高さ約220m
B街区：地上50階、地下5階、高さ約270m
C街区：地上33階、地下6階、高さ約155m（西棟）、高さ約185m（東棟）
構造：鉄骨造、一部鉄骨鉄筋コンクリート造、一部鉄筋コンクリート造
特区区域面積：約6.1ha
敷地面積：約33,430��
A街区：約6,010��
B街区：約20,570��
C街区：約6,850��
建築面積：−
延床面積：約582,700��
A街区：約139,900��
B街区：約301,200��
C街区：約141,600��
建築主：池袋駅西口地区市街地再開発準備組合、東武鉄道
事業協力者：三菱地所、三菱地所レジデンス
設計者：−
施工者：−
工期：2027年度着工〜2043年度予定（※ 解体含む）
A街区：2036年度着工〜2043年度竣工予定
B街区：2030年度着工〜2040年度竣工予定
C街区：2030年度着工〜2034年度竣工予定
供用：2043年度全体供用開始予定
出典
▼東京都環境局：環境アセスメント（2024年4月30日）
「池袋駅西口地区及び池袋駅直上西地区第一種市街地再開発事業」に係る環境影響評価書案
※ 閲覧可能期間：令和6年4月30日〜同年5月29日
▼東武鉄道：ニュースリリース（2024年3月26日）
池袋駅西口地区における都市計画について
▼内閣府：国家戦略特区（2024年3月25日）
第27回 東京都都市再生分科会 配布資料
▼池袋駅西口地区 開発計画の概要に関する説明動画視聴サイト
https://ikebukuro-nishiguchi.com/
※ 動画掲出期間は2024年1月16日に終了しています。
- カテゴリ
- 豊島区
