八重洲の北端で解体中の「新呉服橋ビル」(地上21階、最高高さ112.48m)です。2023年12月9日に撮影しました。大成建設を施工者として2024年5月31日までの工期で解体中で、跡地には地上44階、高さ約217m、低層部にホテルや商業施設が入るオフィスビル「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」が建設されます。この記事では同再開発の概要や既存建物解体状況、地図等を載せています。
八重洲一丁目北地区について
イメージパース[出典：東京都]
「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」は八重洲エリア北端に位置する永代通り沿いの再開発で、超高層オフィスビルが建設される南街区と店舗となる小規模な北街区に分かれています。
南街区の規模は地上44階、地下3階、高さ約217m、敷地面積約7,560�屐�延床面積約18万5500�屬�2024年度着工、2028年度の竣工予定となっており、北街区の規模は地上2階、地下1階、高さ約12m、敷地面積約1,700�屐�延床面積約1,000�屬�2032年4月の竣工予定となっています。建築主は八重洲一丁目北地区市街地再開発組合で、特定業務代行者および参加組合員は東京建物、東京ガス不動産、大成建設、明治安田生命保険、設計者は大成建設となっています。
断面イメージ[出典：東京都]
南街区のフロア構成は地下1階〜地上2階が店舗、2階の一部が高度金融人材サポート施設、3階が事務所ロビー、4階が事務所、5階が機械室、6〜9階がホテル、そして10階以上がオフィスフロアとなります。北街区は2階建ての商業施設になります。
配置図[出典：東京都]
計画地の永代通り、外堀通り、日本橋川に囲まれた敷地となっており、北街区と南街区は既存道路で分断されています。北街区は日本橋川に面した街区で水辺空間も整備されます。
2階平面図[出典：東京都]
北街区と南街区はデッキで接続する計画となっており、南街区から日本橋川へ道路を通らず行けるようになります。
首都高地下化への取組みへの協力内容[出典：東京ガス]
南街区は永代通りの地下にある東京メトロ東西線「日本橋」駅に直結となり、東京メトロ銀座線・都営浅草線の「日本橋」駅にも地下通路で繋がります。また、地下通路は西側へ延伸され「大手町」駅や「東京」駅にも繋がります。
敷地北側の日本橋川上空には首都高がありますが、ここは首都高地下化の対象区間となっており、北街区と南街区の間にある道路の地下に首都高地下化によるトンネルが建設されます。そのため同再開発では図のように地下の建設可能区域が決まっています。
日本橋川沿いの低層部イメージ[出典：東京建物]
日本橋川沿いの北街区は首都高地下化を前提にした再開発になっており、重層的な広場空間を整備するなど水辺空間の創出が行われます。ただ、首都高地下ルート開通が2035年予定、高架橋撤去完了が2040年予定のため、竣工してもしばらくの間は目の前に首都高といった景色になります。
位置図
位置図[出典：東京建物]
計画地は永代通り、外堀通り、日本橋川（首都高）に面した角地で、永代通りの地下にある東京メトロ東西線「日本橋」駅に直結します。また、地下通路は西側へ延伸され「大手町」駅や「東京」駅にも繋がります。
首都高地下化に伴い地下化の対象区間となる日本橋川沿いでは、複数の再開発計画が建設中・計画中となっており、同再開発の東隣では「日本橋一丁目1・2番街区」(地上27階、高さ140m)が計画されており、さらに東側では「日本橋一丁目中地区」(地上52階、高さ283.96m)が建設中で、西側の大手町地区(D-1街区)では「Torch Tower」(地上62階、高さ385m)が建設中です。他にも「日本橋一丁目東地区」(地上40階、高さ約205m/地上51階、高さ約213m）や、日本橋川を渡った先では「日本橋室町一丁目地区」(地上33階、高さ約179.5m)が計画されています。首都高地下化により周辺の再開発が活発になっており、東京駅周辺の超高層ビル群が日本橋まで広がることになります。
2020年12月18日にヘリから撮影した東京駅周辺の空撮です。赤い網掛けをした場所が「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」の計画地です。首都高側が北街区で、その左側が南街区となっており、現在は南街区で既存建物の解体工事が行なわれています。
既存建物解体状況
2023年12月9日に永代通りと外堀通りが交差する呉服橋交差点から撮影した解体中の「新呉服橋ビル」(地上21階、最高高さ112.48m)です。大成建設を施工者として、2024年5月31日までの工期で解体工事が行なわれています。
こちらが解体前の「新呉服橋ビル」です。
外堀通り沿いとなる北西側から撮影。解体後の跡地には「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」(地上44階、高さ約217m)が建設されます。
北東側から撮影。左下にあった「パールホテル八重洲」(地上12階、高さ40m)と「日本橋西河岸地蔵寺会（日限延命地蔵尊）」は既に解体されていますが、再開発ビル内にて地蔵寺は再開予定となっています。
その隣で解体中の「TGビルディング別館」(地上8階、高さ31m)です。
北東側から撮影。ここが解体されると東京駅周辺の超高層ビルが見えるようになります。
永代通り沿いとなる南東側から撮影。手前で解体中のビルは「TGビルディング本館」(地上8階、高さ31m)です。
「新呉服橋ビル」にズームです。最近の超高層ビルの解体現場としては少々ペースが遅いような気がしていましたが、解体工期が2024年2月28日から2024年5月31日まで延長されていました。
東側へ移動して日本橋川に架かる江戸橋から撮影。首都高の江戸橋出入口の撤去工事が進んだこともあり、ここからは日本橋川の先に解体中の「新呉服橋ビル」が見えます。跡地に建設される「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」は元の倍くらいの高さになるため、ここから見たときにはかなり目立ちそうです。
解体工事のお知らせです。先程の書きましたが解体工期が2024年2月28日から2024年5月31日に変更になっています。
地図
物件概要(南街区)
事業名：八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業 南街区
所在地：東京都中央区八重洲一丁目1番他
交通：東京メトロ東西線・銀座線、都営浅草線「日本橋」駅
東京メトロ半蔵門線「三越前」駅
JR各線、東京メトロ丸の内線「東京」駅
東京メトロ東西線・丸の内線・半蔵門線・千代田線、都営三田線「大手町」駅
用途：事務所、宿泊施設、店舗、寺院、高度金融人材サポート施設
階数：地上44階、地下3階
高さ：約217m
構造：S・RC・SRC造
敷地面積：約7,560��
建築面積：−
延床面積：約185,500��
建築主：八重洲一丁目北地区市街地再開発組合
特定業務代行者および参加組合員：東京建物、東京ガス不動産、大成建設、明治安田生命保険
設計者：大成建設
施工者：−
工期：2024年度着工〜2028年度竣工予定（北街区も含めると2032年4月竣工予定）
出典
▼東京建物：ニュースリリース（2023年9月5日）
東京駅至近の日本橋川沿いエリアに大規模複合施設を整備 「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」権利変換認可のお知らせ
▼東京建物：ニュースリリース（2021年11月30日）
東京駅日本橋口至近の日本橋川沿いエリアに大規模複合施設を整備「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」市街地再開発組合設立認可のお知らせ
▼東京ガス：プレスリリース（2019年10月11日）
日本橋川沿いエリアに大規模施設等を整備 「（仮称）八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」都市計画決定 2025年度本体工事着工予定
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