完成イメージ[出典：公式HP]
樹木伐採で騒がれている神宮外苑地区の大規模再開発「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業」の完成予想図です。現地では明治神宮第二球場・ゴルフ練習場他解体工事が始まっており、段階的に「秩父宮ラグビー場」と「明治神宮野球場」の移転・建替え、高さ約185m、190mの超高層オフィスビル等を建設する計画となっています。同再開発は解体・建設・移転を繰り返すSTEP開発が行われるため全体完成は2036年予定となっています。この記事では同再開発の概要や既存建物解体状況や現況(2023年9月28日時点)、地図等を載せています。
神宮外苑地区について
完成イメージ[出典：東京都]
「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業」は「秩父宮ラグビー場」や「明治神宮野球場」「伊藤忠商事 東京本社ビル」などがある神宮外苑地区における総事業費3490億円の超大規模再開発となっています。事業者は三井不動産(代表)、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事で、2023年度の権利変換計画認可を経て、2024年度から2035年度にかけて以下の施設を段階的に建設する計画となっており、現在は2023年3月22日から2024年4月30日までの工期で、明治神宮第二球場・ゴルフ練習場他解体工事が始まっています。
※ 日本スポーツ振興センターはラグビー場棟の施行を都市再生機構に要請しています
・ラグビー場棟
地上7階、地下1階、高さ約55m、約7万6700��
ラグビー場、店舗、文化交流施設、駐車場等
2025年着工、2028年竣工予定
・複合棟A
地上40階、地下2階、高さ約185m、約12万7300��
事務所、店舗、ロビー、多目的室、駐車場等
2028年着工、2032年竣工予定
・複合棟B
地上18階、地下1階、高さ約80m、約3万300��
サービスアパートメント、室内球技場、駐車場等
2033年着工、2035年竣工予定
・事務所棟
地上38階、地下5階、高さ約190m、約21万3000��
事務所、店舗、ロビー、駐車場等
2025年着工、2028年竣工予定
・ホテル併設野球場棟
地上14階、地下1階、高さ約60m、約11万5700��
野球場諸室、観客席、宿泊施設、ロビー、駐車場等
2028年着工、2032年竣工予定
・文化交流施設棟
地上1階、高さ約6m、約2,000��
事務所、店舗
2033年着工、2035年竣工予定
現況図[出典：公式HP]
再開発前の現況図です。野球場やラグビー場、テニスコート、伊藤忠商事東京本社ビルなどがある一帯が計画地となっています。
配置図[出典：公式HP]
再開発完了後の配置図です。完成後には野球場は一ヵ所に減りますが、明治神宮第二球場があった場所にラグビー場、秩父宮ラグビー場やテニスコートがあった場所にホテル併設野球場棟、明治神宮野球場があった場所に広場、明治神宮外苑軟式球場があった場所にテニスコートが整備されます。また、ホテル併設野球場棟の西側と南側には超高層オフィスビルの複合棟Aと事務所棟、北西側には複合棟Bが建設されます。
配置図[出典：東京都]
整備される広場7号は約1万5000�屐�広場8号は約6,800�峙�模となり、敷地内には歩行者通路や歩行者デッキなどが整備され周辺エリアの回遊性が向上します。また、このエリアにある象徴的な4列のイチョウ並木は保存されます。
段階建て替えイメージ図[出典：公式HP]
「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業」は各施設の機能を維持するため段階的なステップ開発が行われます。まずは「明治神宮第二球場」を解体してラグビー場棟�鬼�を2028年までに建設し、次に「秩父宮ラグビー場」やテニスコートを解体してホテル併設野球場棟を2032年までに建設します。その後「明治神宮野球場」を解体して中央広場の整備とラグビー場棟�挟�工事が2035年までに行われ、2036年に全体完成予定となっています。
他にも事務所棟(地上38階、高さ約190m)が2025年着工、2028年竣工予定、複合棟A(地上40階、高さ約185m)が2028年着工、2032年竣工予定、複合棟B(地上18階、高さ約80m)が2033年着工、2035年竣工予定、文化交流施設棟(地上1階、高さ約6m)が2033年着工、2035年竣工予定で建設されます。
事務所棟 断面図[出典：東京都]
「伊藤忠商事東京本社ビル」(地上22階、高さ90.9m)の建替えとなる事務所棟(地上38階、高さ約190m)の断面図です。低層部に商業施設、高層部にスカイロビーのあるオフィスビルとなります。
複合棟A・ホテル併設野球場棟 断面図[出典：東京都]
「秩父宮ラグビー場」や事務所がある場所に建設される複合棟A(地上40階、高さ約185m)とホテル併設野球場棟(地上14階、高さ約60m)の断面図です。複合棟Aは低層部に商業施設は入るオフィスビルとなり、球場併設ホテル棟は野球場のスタンドの上部がホテルとなります。
ラグビー場棟 断面図[出典：東京都]
「明治神宮第二球場」がある場所に建設されるラグビー場棟(地上7階、高さ約55m)は屋根付きになります。
複合棟B・広場7号・文化交流施設棟 断面図[出典：東京都]
「明治神宮野球場」がある場所に建設される複合棟B(地上18階、高さ約80m)、広場7号(約1万5000��)、文化交流施設棟(地上1階、高さ約6m)の断面図です。複合棟Bはサービスアパートメントとなる計画です。
ラグビー場棟 完成イメージ[出典：公式HP]
ラグビー場棟の完成予想図です。左端に描かれているのは「国立競技場」です。
ラグビー場棟 完成イメージ[出典：公式HP]
ラグビー場は屋根付きになります。
ホテル併設野球場棟 完成イメージ[出典：公式HP]
ホテル併設野球場棟の完成予想図です。客席の背後には球場を望むことができるホテルが併設されます。
ホテル併設野球場棟 完成イメージ[出典：公式HP]
野球場の入り口です。
完成イメージ[出典：公式HP]
敷地南東側あたりです。
完成イメージ[出典：公式HP]
敷地北東側あたりです。
完成イメージ[出典：公式HP]
広場から望む南側の完成イメージです。左後ろが「伊藤忠商事東京本社ビル」の建替えとなる事務所棟、その手前ががホテル併設野球場棟、中央の超高層ビルが複合棟A、右の板状の建物がサービスアパートメントとなる複合棟Bとなっています。
位置図
位置図[出典：公式HP]
計画地は東京メトロ銀座線「外苑前」駅の目の前から「国立競技場」に挟まれた場所で、計画地の東側には有名な4列のイチョウ並木がある場所となっています。
解体状況・現況
2023年9月28日に西側から撮影した「秩父宮ラグビー場」です。この辺りは複合棟A(地上40階、高さ約185m)やホテル併設野球場棟(地上14階、高さ約60m)の建設地になります。
東側の「秩父宮ラグビー場」前にはイチョウ並木がありますが、こちらのイチョウ並木は伐採される計画となっています。
西側から撮影したヤクルトスワローズの本拠地でもある「明治神宮野球場」です。この辺りには広場などが整備されますが「秩父宮ラグビー場」跡地に建設される新球場が完成(2032年予定)するまでは残ります。
西側から撮影した解体工事中の「明治神宮第二球場」です。
明治神宮第二球場・ゴルフ練習場他解体工事のお知らせです。解体工期は2023年3月22日から2024年4月30日までとなっており、解体の施工者は安藤・間となっています。
「国立競技場」から撮影した解体中の「明治神宮第二球場」です。グランドの周囲にあったフェンスは解体済みとなっていました。
見えている道路は廃道となりラグビー場が建設されるため、この辺りの木々は伐採されることになるかと思います。ただ、9月中に始まる予定だった樹木の伐採は2024年1月以降にずれ込むとのことです。
解体中の「明治神宮第二球場」にズームです。
ゴルフ練習場も併設されていた野球場でした。
背後には「明治神宮野球場」もあります。
地上部の解体はすぐに終わりそうですが、基礎部の解体は時間がかかりそうです。
地上から見た「明治神宮第二球場」の北東側あたりです。
東側にあったゴルフ練習場です。
北側から見た「明治神宮野球場」です。
周辺には小さな森があります。
樹木伐採で大騒ぎになっていますが、個人的にはこのエリアに関しては再開発推進派です。それよりも大規模な森林破壊をして太陽光パネルだらけになっている現状の方が大問題だと思っています。
敷地東側の4列のイチョウ並木は伐採されずに保存されます。
世の中にはこのイチョウ並木が伐採されると思って反対している多く人もいるようです。
同再開発の北東側にある「明治神宮外苑軟式球場」です。ここには別事業としてテニスコートが整備されます。
地図(事務所棟)
地図(複合棟A)
物件概要
工事工程[出典：東京都環境局]
工事工程です。2023年3月22日から神宮第二球場の解体工事が始まり、段階的に工事を行われ2036年に全体完成予定となっています。事業者は三井不動産(代表)、明治神宮、日本スポーツ振興センター、伊藤忠商事となっています。
■物件概要（事務所棟）■
仮称：神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 事務所棟
所在地：東京都港区北青山二丁目
交通：東京メトロ銀座線「外苑前」駅
東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営大江戸線「青山一丁目」駅
用途：事務所、店舗、駐車場等
階数：地上38階、地下5階
高さ：約190m
構造：S造、SRC造
延床面積：約213,000��
工期：2025年着工〜2028年竣工予定
■物件概要（複合棟A）■
仮称：神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 複合棟A
所在地：東京都港区北青山二丁目
交通：東京メトロ銀座線「外苑前」駅
東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営大江戸線「青山一丁目」駅
用途：事務所、店舗、多目的室、駐車場等
階数：地上40階、塔屋1階、地下2階
高さ：約185m
構造：S造、SRC造
延床面積：約127,300��
工期：2028年着工〜2032年竣工予定
■物件概要（複合棟B）■
仮称：神宮外苑地区第一種市街地再開発事業 複合棟B
所在地：東京都港区北青山二丁目
交通：東京メトロ銀座線「外苑前」駅
東京メトロ銀座線・半蔵門線、都営大江戸線「青山一丁目」駅
用途：サービスアパートメント、室内球技場、駐車場等
階数：地上18階、塔屋1階、地下1階
高さ：約80m
構造：S造、SRC造
延床面積：約30,300��
工期：2033年着工〜2035年竣工予定
出典
▼公式HP：神宮外苑地区第一種市街地再開発事業
https://www.jingugaienmachidukuri.jp/
▼三井不動産：ニュースリリース（2023年2月17日）
100年の歴史を継承し、にぎわい溢れるみどり豊かなスポーツの拠点へ
「神宮外苑地区第一種市街地再開発事業」施行認可のお知らせ
▼東京都都市整備局：報道発表資料（2023年2月16日）
神宮外苑地区第一種市街地再開発事業の施行を認可します
▼東京都環境局：環境アセスメント（2023年7月27日）
「（仮称）神宮外苑地区市街地再開発事業」事後調査報告書（工事の施行中その1）
▼東京都環境局：環境アセスメント（2022年12月26日）
「（仮称）神宮外苑地区市街地再開発事業」環境影響評価書素案
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