イメージパース[出典：札幌市]
札幌駅前の札幌西武跡地で計画されている「(仮称)札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業」について、建設費高騰により最上部に計画していたホテルを取りやめ、地上35階、高さ約200mから地上31階、高さ約170mへ規模縮小することが本日の北海道新聞に掲載されました。商業施設が入る低層棟の高さ60mなどに変更はないとのことです。この記事では同再開発の概要や現況、地図等を載せています。
札幌駅南口北4西3地区について
断面イメージ[出典：平和不動産]
「(仮称)札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業」が規模縮小する前の断面イメージです。同再開発は地上35階、地下6階、高さ約200m、延床面積約21万200�峙�模で計画されていましたが、円安による資材高騰や人件費の上昇で建設費が3〜4割程度増額することになったことから、最上部で計画されていたホテルを取りやめ地上31階、高さ約170m、延床面積約約20万1500�峙�模に縮小することになったことが北海道新聞に掲載されました。ホテルと比べてオフィスは建設費を抑えられることからオフィス面積を拡大し、働く人が利用する宿泊滞在施設を一部に設けるとのことです。
同再開発の事業者は札幌駅南口北4西3地区市街地再開発準備組合（代表者：ヨドバシホールディングス）で平和不動産が地権者として準備組合に加入しています。当初計画では2023年度に工事着手予定でしたが、2024年度に既存建物の解体開始、2025年度の着工、そして2028年度の竣工予定となっています。
断面イメージ[出典：札幌市]
こちらも規模縮小前の都市計画決定時の断面図です。商業施設となる低層棟の高さ60mなどは変わらないとのことですが、1〜8階の吹抜け空間となるガレリアがこのまま整備されるのかは不明です。
地下ネットワーク整備[出典：札幌市]
地下ネットワーク図です。紫色部分が既存の通路で、そこに新たに北条5条地下通路と、西三丁目線地下通路、そして地区内貫通通路が整備されます。これにより地下ネットワークが強化され、北海道新幹線の札幌駅方面からのアクセスも向上します。
ガレリアイメージ[出典：札幌市]
1〜8階まで吹抜けとなるガレリアの完成予想図です。ビル内を東西に貫く貫通通路にもなります。建設費抑制のためこの空間がなくなることも予想されますが、どうなるのかは現時点では不明です。
ターミナルコアイメージ[出典：札幌市]
地下鉄の改札に繋がるターミナルコアの完成予想図です。札幌は雪国ということもあって地下ネットワークが発達しており、札幌駅からすすきの駅まで地下通路や地下街が続いています。
位置図
位置図[出典：平和不動産]
計画地はJR札幌駅の真正面で旧札幌西武跡地を含む四方が道路に囲まれた敷地となっています。
事業の実施区域位置図(広域)[出典：札幌市]
計画地の西側は札幌駅前通に面しており、地下には地下鉄南北線「さっぽろ」駅があります。他にもJR「札幌」駅や東豊線「さっぽろ」駅、少々距離はありますが東西線「大通」駅にも地下通路で接続します。
2021年11月6日に位置図と同じような方向から撮影した札幌駅方面です。この空撮の矢印を入れたあたりが「(仮称)札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業」の計画地となっています。
赤い網掛けをした場所が計画地でその隣が駅前広場や札幌駅がある駅ビルです。
その駅ビルである「JRタワー」(地上38階、高さ173m)の右側では同再開発を超す高さとなる「(仮称)札幌駅交流拠点北5西1・西2地区第一種市街地再開発事業」(地上43階、高さ約245m)が建設予定となっていますが、こちらも建設費高騰により計画の見直しが報道されています。
現況
2023年6月25日に札幌駅前通がある北西側から撮影した「(仮称)札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業」(地上31階、高さ約170m)の計画地です。
北東側から撮影。レンガ調の建物だった西武百貨店札幌店は解体され現在は駐車場として利用されています。
左のビルは「北海道建設会館」で、運転席に乗ったまま回転しながら上昇し、駐車階にて運転手自ら駐車する立体駐車場があります。現存するのはここだけとのことですが、同再開発によって解体されてしまいます。
※ 参考動画：世界に一つだけ】札幌駅周辺の珍しい駐車場・・・・・・もんすけ調査隊（今日ドキッ！2022年9月23日放送）
南西側から撮影。駐車場になる前には仮囲いが設置されており、そこには「ヨドバシカメラ」建設地予定地の看板がありました。再開発準備組合の代表者はヨドバシホールディングスのため、商業施設部の核テナントとしてヨドバシカメラが入ることは確実と言えます。
同じ日に「JRタワー」の展望室から見下ろした「(仮称)札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業」の計画地です。当初はこの視点よりも遥かに高い高さ200mで計画されていましたが、この視点と同じくらいの高さ約170mに規模縮小となっています。
過去には「札幌三井JPビルディング」が地上36階、高さ185m規模で帝国ホテルを誘致する計画だったのが、地上20階、最高高さ99.95mのオフィスビルへ大幅に規模縮小したことがあったので、それよりはまだマシな規模縮小です。あとは「(仮称)札幌駅交流拠点北5西1・西2地区第一種市街地再開発事業」(地上43階、高さ約245m)が計画の見直し中ですが、大幅な規模縮小がないことを願うのみです。ちなみに北海道新幹線の札幌延伸やラピダスによる千歳の半導体工場の建設などが重なって建設機械や人手不足となり、このことも建設費の高騰に繋がっているとのことです。
地図
物件概要
工事工程表[出典：札幌市]
工期は約56ヵ月を予定していますが、今回の規模縮小により多少の変更があるかもしれません。
■物件概要■
名称：(仮称)札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業
所在地：北海道札幌市中央区北４条西３丁目
交通：JR「札幌」駅、地下鉄南北線・東豊線「さっぽろ」駅
用途：業務、商業、宿泊、駐車場等
階数：地上31階、地下6階
高さ：約170m
構造：鉄骨造 一部 鉄骨鉄筋コンクリート造
敷地面積：約10,660��
建築面積：約9,800��
延床面積：約201,500��
建築主：札幌駅南口北４西３地区市街地再開発準備組合（代表者：ヨドバシホールディングス）
工期：2025年度着工〜2028年度竣工予定
出典
▼北海道新聞（2022年9月13日）
札幌西武跡、３５→３１階に 再開発ビル、２５年度着工
▼平和不動産（2022年4月6日）
「北４西３地区第一種市街地再開発事業」都市計画決定のお知らせ
▼札幌市（2022年3月16日）
（仮称）札幌駅南口北4西3地区第一種市街地再開発事業 環境影響評価書
※縦覧 令和4年3月15日から4月13日まで
▼札幌市：都市計画の決定・変更のお知らせ（令和3年度）（2022年3月8日）
北4西3地区 説明資料
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