八重洲の北端で解体工事中の「新呉服橋ビル」(地上21階、最高高さ112.48m)です。2023年9月5日に撮影しました。同ビルは大成建設を施工者として2024年2月28日までの工期で解体され、跡地には超高層オフィスビルとなる「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」(地上44階、高さ約217m)が2024年度着工予定で建設されます。この記事では同再開発の概要や既存建物解体状況、地図等を載せています。
八重洲一丁目北地区について
イメージパース[出典：東京都]
「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」は永代通りと日本橋川（首都高）に挟まれた八重洲北端の再開発で、超高層ビルが建設される南街区と日本橋川沿いの小規模な北街区に分かれています。建築主は八重洲一丁目北地区市街地再開発組合で、特定業務代行者および参加組合員は東京建物、東京ガス不動産、大成建設、明治安田生命保険、設計者は大成建設となっています。
南街区の規模は地上44階、地下3階、高さ約217m、敷地面積約7,560�屐�延床面積約18万5500�屬�2024年度着工、2028年度の竣工予定となっており、北街区の規模は地上2階、地下1階、高さ約12m、敷地面積約1,700�屐�延床面積約1,000�屬�2031年度の竣工予定となっています。また、同再開発は2023年9月15日付で東京都知事より権利変換計画の認可を受けています。
断面イメージ[出典：東京都]
フロア構成は南街区の地下1階〜地上2階が店舗フロア、2階の一部が高度金融人材サポート施設、3階が事務所ロビー、4階が事務所、5階が機械室、6〜9階がホテル、そして10階以上がオフィスフロアとなります。北街区は水辺空間のある2階建ての商業施設になります。
配置図[出典：東京都]
計画地の南側は永代通り、西側は外堀通り、北側は日本橋川に面した場所で、永代通りに面した南街区と日本橋川に面した北街区に分かれています。
2階平面図[出典：東京都]
北街区と南街区は2階レベルに設置されるデッキで接続する計画になっています。
首都高地下化への取組みへの協力内容[出典：東京ガス]
南街区は永代通りの地下にある東京メトロ東西線「日本橋」駅に直結となり、東京メトロ銀座線・都営浅草線の「日本橋」駅にも地下通路で繋がります。また、地下通路を西側へ延伸して「大手町」駅や「東京」駅にも接続します。
敷地北側の日本橋川上空にある首都高は地下化の対象区間となっており、北街区と南街区の間にある道路の地下に建設されるトンネルが首都高地下化時の新ルートになります。そのため同再開発では地下の建設可能区域が決まっています。
日本橋川沿いの低層部イメージ[出典：東京建物]
日本橋川沿いの北街区は首都高地下化を前提にした再開発になっており、重層的な広場空間を整備するなど水辺空間の創出が行われます。
位置図
位置図[出典：東京建物]
計画地は永代通り、外堀通り、日本橋川（首都高）に面しており、永代通りの地下にある東京メトロ東西線「日本橋」駅に直結します。また、地下通路によって東京メトロ銀座線・都営浅草線「日本橋」駅にも接続し、さらには西側に地下通路を延伸して「大手町」駅や「東京」駅にも接続します。
首都高地下化に伴い地下化の対象区間となる日本橋川沿いでは、複数の再開発計画が建設中・計画中となっています。同再開発の東隣では「日本橋一丁目1・2番街区」(地上27階、高さ140m)が計画されており、さらに東側では「日本橋一丁目中地区」(地上52階、高さ283.96m)が建設中で、西側の大手町地区(D-1街区)では「Torch Tower」(地上62階、高さ390m)の建設がもうすぐ始まります。他にも「日本橋一丁目東地区」(地上40階、高さ約240m/地上52階、高さ約225m）や、日本橋川を渡った先の「日本橋室町一丁目地区」(地上33階、高さ約179.5m)が計画されています。
2020年12月18日にヘリから撮影した東京駅周辺の空撮です。赤い網掛けをした場所が「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」の計画地です。
既存建物解体状況
2023年9月5日に永代通りと外堀通りが交差する呉服橋交差点から撮影した解体工事中の「新呉服橋ビル」(地上21階、最高高さ112.48m)です。タワークレーンが1基設置されていました。
解体後の跡地には倍近い高さとなる「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」(地上44階、高さ約217m)が建設されます。
東京駅の日本橋口前から撮影。再開発ビルは東京メトロ東西線「日本橋」駅に直結となりますが、東京駅も徒歩圏に位置しており地下通路で接続する計画もあります。
北西側から撮影。日本橋川の上空を通る首都高は地下化の対象区間となっており、目の前にあった呉服橋出入口は廃止され解体中です。
日本橋川に面した北街区では、首都高地下化に合わせて日本橋川沿いエリアの連続的な水辺空間と歩行者ネットワークの整備が行われます。首都高地下化がニュースになり出した頃に、殺風景なビルが並んでいる場所なので景観的にも意味がない的なことを言っていた学者を見た気がするのですが、首都高地下化に合わせて日本橋川沿いは複数の再開発によって生まれ変わります。
近くから見上げた様子です。解体の施工者は大成建設で、解体工期は2024年2月28日までとなっているので次回訪問時には低くなり始めているかと思います。
北東側から撮影。ビル全体に足場と防音パネルが設置されています。
東隣では「パールホテル八重洲」(地上12階、高さ40m)や「TGビルディング別館」(地上8階、高さ31m)の解体工事が行われています。右下の重機が見える場所にあった「日本橋西河岸地蔵寺会（日限延命地蔵尊）」は既に解体されており、同再開発で再建される予定となっています。
北東側から撮影した「TGビルディング別館」です。南街区全体で既存建物の解体工事が行われています。
南東側から撮影した「TGビルディング本館」(地上8階、高さ31m)です。
こちらはまだ足場の設置作業中といった感じでした。
南東側から見上げた「新呉服橋ビル」です。もうどの角度からも外観を見ることはできません。
地図
物件概要(南街区)
事業名：八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業 南街区
所在地：東京都中央区八重洲一丁目1番他
交通：東京メトロ東西線・銀座線、都営浅草線「日本橋」駅
東京メトロ半蔵門線「三越前」駅
JR各線、東京メトロ丸の内線「東京」駅
東京メトロ東西線・丸の内線・半蔵門線・千代田線、都営三田線「大手町」駅
用途：事務所、宿泊施設、店舗、寺院、高度金融人材サポート施設
階数：地上44階、地下3階
高さ：約217m
構造：S・RC・SRC造
敷地面積：約7,560��
建築面積：−
延床面積：約185,500��
建築主：八重洲一丁目北地区市街地再開発組合
特定業務代行者および参加組合員：東京建物、東京ガス不動産、大成建設、明治安田生命保険
設計者：大成建設
施工者：−
工期：2024年度着工〜2028年度竣工予定（北街区も含めると2031年度竣工予定）
出典
▼東京建物：ニュースリリース（2023年9月5日）
東京駅至近の日本橋川沿いエリアに大規模複合施設を整備 「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」権利変換認可のお知らせ
▼東京建物：ニュースリリース（2021年11月30日）
東京駅日本橋口至近の日本橋川沿いエリアに大規模複合施設を整備「八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」市街地再開発組合設立認可のお知らせ
▼東京ガス：プレスリリース（2019年10月11日）
日本橋川沿いエリアに大規模施設等を整備 「（仮称）八重洲一丁目北地区第一種市街地再開発事業」都市計画決定 2025年度本体工事着工予定
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