札幌で解体中の「(仮称)札幌北1西5計画」(地上26階、高さ116.6m)です。2023年6月25日に撮影しました。低層部が店舗、中層部がオフィス、高層部がホテル「ハイアット セントリック 札幌」で構成される複合施設が大成建設の施工で建設中でしたが、施工不良と数値虚偽報告が発覚して再構築することになり、現在は地上部の解体工事が行われています。この記事では同複合施設の概要や解体状況、地図等を載せています。
(仮称)札幌北1西5計画について
外観パース[出典：NTT都市開発]
「(仮称)札幌北1西5計画」は北海道庁旧本庁舎（赤れんが庁舎）の南側にあった北海道放送(HBC)本社跡地の再開発で、規模は地上26階、塔屋1階、地下2階、高さ116.6m、敷地面積4,606.21�屐�建築面積3,701.35�屐�延床面積6万916.06�屬箸覆辰討い泙后７�築主はNTT都市開発、設計者は久米設計、施工者は大成建設で2024年2月竣工予定となっていましたが、施工不良により28ヵ月の工期延伸が必要となり2026年6月末頃の竣工予定へと変更になっています。
施工不良については建築主であるNTT都市開発からの指摘を受け調査をしたところ、鉄骨の柱や梁が70か所で平均4mm、最大で21mmずれていたほか、コンクリートの床など245か所で、平均で厚さ6mm、最大で14mm薄かった事がわかったとのことです。大成建設の品質管理担当者は、鉄骨精度計測値について一部実測値と異なる数値をNTT都市開発へ虚偽報告しており、契約に基づいた品質及び建築関連法規を満たさない見込みとなったため、地上部の全てと地下部の是正対象部分を撤去し再構築することになりました。これにより工事原価が約240億円増加する見込みとなっています。
建物構成[出典：NTT都市開発]
同ビルは北棟と南棟に分かれており、北棟のフロア構成は地下1階〜2階が広場・店舗、3階〜16階がオフィス(基準階面積500坪超)、17階〜26階がホテル「ハイアット セントリック 札幌」となります。南棟はコワーキングスペースやスモールオフィス、イベントラウンジ等で構成されます。
札幌初進出となるハイアットホテル「ハイアット セントリック 札幌」は1階の一部と17階〜26階(全216室)に位置しており、ホテルロビーは高さ70m地点の17階に配置され、北海道庁旧本庁舎（赤れんが庁舎）や北海道大学植物園などを望むことができる場所になります。開業は2024年春の予定でしたが工期の延伸に伴い2026年中の開業予定に変更になっています。
外観パース[出典：NTT都市開発]
「ハイアット セントリック」には「街の中心に位置し、行動と情報の拠点になる」という意味が込められており、同ホテルも札幌の都心部に位置していますが、北側にある北海道庁旧本庁舎（赤れんが庁舎）の庭を借景できる場所となっています。また、南側へ徒歩数分の場所には大通公園もあります。
アトリウム空間[出典：NTT都市開発]
北棟の1〜2階には約1,300�屬硫案盂姐�場が整備され、1階には大型ビジョンを備えた2層吹き抜けのアトリウム空間が誕生します。
南棟外観[出典：NTT都市開発]
コワーキングスペースやスモールオフィスが入る南棟の完成予想図です。地下1階と2階で南棟と接続します。
位置図
位置図[出典：NTT都市開発]
場所は北海道庁旧本庁舎（赤れんが庁舎）の南側で地下鉄「大通」駅から徒歩6分、JR「札幌駅」から徒歩10分の位置にあります。また、接続予定の「北一条地下駐車場公共地下歩道」は「大通」駅と「さっぽろ」駅を結ぶ「チ・カ・ホ(札幌駅前通地下歩行空間)」にも繋がっているため、地下だけで各駅へアクセスできるようになります。
解体状況
2023年6月25日に南側から撮影した解体工事中の「(仮称)札幌北1西5計画」(地上26階、高さ116.6m)です。今年の2月に訪れたときはあった南棟の鉄骨が解体されていました。
南西側から撮影。15階まで鉄骨は組まれましたが地上部は全て解体されます。
北西側から撮影。建設時は中の鉄骨が見える養生ネットでしたが、今は解体工事中のため解体用足場に防音パネルが貼られて中は見えません。
北東側から撮影。北棟も解体工事が始まっており少し低くなり始めています。
同じ日に「さっぽろテレビ塔」の展望台から撮影。見ただけでは解体しているとはわからない状態となっています。
広角で撮影。大通公園からも近い立地ということがわかります。
(地上38階、高さ173m)の38階にある展望室から撮影。もうすぐビル本体が見えるところでしたが、一旦解体されるので見えるようになるのはまだまだ先です。
広角で撮影。背後はロープウェイで登ることができる藻岩山(531m)です。
地図
物件概要
建築計画のお知らせです。以前撮ったものなので数値は古いです。
■物件概要■
ホテル名：ハイアット セントリック 札幌
計画名：(仮称)札幌北1西5計画
所在地：北海道札幌市中央区北1条西5丁目1番4
交通：地下鉄「大通」駅徒歩6分
JR「札幌」駅徒歩10分
用途：事務所、ホテル(17〜26階)、店舗、駐車場(機械式立体駐車場136台)
総客室数：216室
階数：地上26階、塔屋1階、地下2階
高さ：約116.6m
構造：鉄骨造/鉄骨鉄筋コンクリート、制震構造
敷地面積：4,606.21��
建築面積：3,701.35��
延床面積：60,9126.06��
建築主：NTT都市開発
設計者：久米設計
施工者：大成建設
工期：2021年10月着工〜2026年6月末頃竣工予定
出典
▼大成建設：IR（2023年4月17日）
「施工中工事の是正工事実施に伴う損失計上」及び「業績予想の修正」について
▼大成建設：IR（2023年3月16日）
施工中工事における鉄骨建方等の精度不良について
▼大成建設：IR（2023年3月16日）
取締役及び執行役員の辞任に関するお知らせ
▼NTT都市開発：ニュースリリース（2023年3月16日）
「（仮称）札幌北１西５計画」の竣工時期延期について
▼NTT都市開発：ニュースリリース（2022年6月28日）
札幌にハイアットが初進出
ホテル名称は「ハイアット セントリック 札幌」に決定、2024年春開業
▼NTT都市開発：ニュースリリース（2021年11月12日）
（仮称）札幌北１西５（旧北海道放送本社跡地）計画における新築工事着工について
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