世界貿易センタービルディング

 鹿島建設によって解体工事中の「世界貿易センタービルディング」(地上40階、最高高さ162.59m)です。2023年1月20日に撮影しました。普通のオフィスビルよりも低い高さまでまで解体が進んでおり、元の外観が見える場所がなくなっています。解体済み・解体中のビルの中では高さ日本一となっています。この記事では同ビルの解体状況や建替え概要、地図等を載せています。




世界貿易センタービルディング

 解体工が始まる前の「世界貿易センタービルディング」です。規模は地上40階、地下3階、高さ152m、最高高さ162.59m、敷地面積1万6080.99屐建築面積9,573.17屐延床面積15万3941.22屐建築主は東京ターミナル(現:世界貿易センタービルディング)、設計者は日建設計、武藤研究室(武藤構造力学研究所)、施行者は鹿島建設で1967年7月着工し、1970年3月に竣工しました。日本で2番目の高さ100m超えの超高層ビルで、竣工当時は高さ日本一の超高層ビルでした。

 同ビルは建替えのため2021年6月30日に閉館し、2021年8月1日〜2023年3月31日の工期で、建設工事も行った鹿島建設によって解体工事が行われています。解体後の跡地には地上46階、高さ235mの超高層ビルが建設されます。



浜松町二丁目4地区 外観イメージ
外観イメージ[出典:鹿島建設]

 「世界貿易センタービルディング」の建替え後の完成予想図です。解体後の跡地には「(仮称)浜松町二丁目4地区A街区」のA-1棟として、地上46階、塔屋2階、地下3階、高さ約235m、敷地面積1万5726.55(A街区全体)、建築面積1万4500(A街区全体)、延床面積30万5000(A街区全体)規模の超高層ビルが建設されます。建築主は世界貿易センタービルディング、鹿島建設、東京モノレール、東日本旅客鉄道、設計者と施行者は鹿島建設で2027年2月の竣工予定となっています。

 A-2棟は別館の建替えで、A-3棟は既に開業している「世界貿易センタービルディング 南館」(地上39階、高さ197.317m)、B街区は一番最初に建設された「日本生命浜松町クレアタワー」(地上29階、高さ156m)です。また、A-3棟の背後では「WORLD TOWER RESIDENCE(ワールドタワーレジデンス)」(地上46階、最高高さ185.43m)が建設中です。



浜松町二丁目4地区 施設構成及び敷地外貢献の内容
施設構成及び敷地外貢献の内容[出典:鹿島建設]

 A-1棟の主要用途はオフィスで高層部は国際水準のホテルとなり、低層部にはJR「浜松町」駅、東京モノレール「浜松町」駅、都営大江戸線・浅草線「大門」駅、バス、タクシーなど各交通機関を繋ぐ縦動線となるステーションコアが整備されます。

 A-2棟にはレセプション会場やDMO活動施設、屋上広場が整備されます。このDMO(Destination Management/Marketing Organization)とは観光地域づくり法人のことで、観光地域づくりの舵取り役になるとのことです。



浜松町二丁目4地区 配置図
配置図[出典:鹿島建設]

 「世界貿易センタービルディング」の建替えが行われているA街区にはA-1棟、A-2棟、A-3棟とモノレール棟があり、A-3棟は既に開業済みの「世界貿易センタービルディング 南館」で、それ以外は全て建替えとなります。

 建替え後のビルはステーションコアによってJRやモノレール、都営地下鉄など各交通機関に繋がり、そして隣のB街区「日本生命浜松町クレアタワー」(地上29階、高さ156m)やC地区で建設中の「WORLD TOWER RESIDENCE(ワールドタワーレジデンス)」(地上46階、最高高さ185.43m)とデッキで接続されます。



浜松町二丁目4地区 駅前拠点
駅前拠点[出典:内閣府]

 ステーションコアの完成予想図です。このステーションコアを整備することで、都営大江戸線・浅草線「大門」駅やJR・東京モノレール「浜松町」駅への動線がわかりやすくなり、スムーズに乗り換えができるようになります。



浜松町二丁目4地区 屋上庭園イメージ
屋上庭園イメージ[出典:内閣府]

 A-2棟には屋上庭園が整備され「旧芝離宮恩賜庭園」方面を眺められるようになります。



東京モノレール 浜松町駅 外観イメージ
東京モノレール 浜松町駅 外観イメージ[出典:東京モノレール]

 東京モノレール「浜松町」駅の駅舎も2029年12月の竣工予定で建替えが行われます。駅の機能を止めずにどのように建て替えを行っていくのか注目です。



整備後の浜松町駅周辺イメージパース
整備後の浜松町駅周辺イメージパース[出典:野村不動産]

 浜松町駅周辺では新改札口や歩行者通路の整備が行われており、2030年度にはこの完成イメージのようになる計画となっています。この中でピンク色部分が「(仮称)浜松町二丁目4地区A街区(A-1棟)」内に整備されるステーションコアで、JR、東京モノレール、都営地下鉄、バスターミナル、タクシープール等の交通施設に繋がります。

 浜松町駅周辺の整備内容は、当ブログの以下の記事にもまとめているのでご参照ください。
→『浜松町駅エリアの整備計画について詳細が公開!北口自由通路・南口自由通路・ステーションコアなどを整備




鹿島スラッシュカット工法のフロー図
鹿島スラッシュカット工法のフロー図[出典:鹿島建設]

 「世界貿易センタービルディング」の解体工事は鹿島建設が開発した新工法「鹿島スラッシュカット工法」が適用されています。切断後から支保工を存置せずに隣接するスラブが荷重を支えて落下を防ぐ「斜め切断カッター」によりスラブを先行解体し、そして大割ブロック化した躯体をビル内部に穴を開けた大型揚重開口から吊り下ろして、地上でその大割ブロックを小割解体する工法となっています。

 地上に下ろすまでは建物内部の密閉空間内で完結する工法のため、解体材等の風散・飛散などのリスクを低減し、騒音の低減や施工中のCO2排出量の削減など環境にもやさしい工法となっています。詳細は鹿島建設のプレスリリースに掲載されていますが、同工法の施工フローは以下のようになっています。

1. 密閉された建物内部で「斜め切断カッター」によりスラブを先行解体
2. 躯体を切断して大割ブロック化
3. 大割ブロックを建物内部の大型揚重開口より吊下ろし、地上階で小割解体
4. せり下げ足場を逆クライミングし、次の下層フロアを解体

▼鹿島建設:プレスリリース(2022年7月13日)
国内最高!162mのビルを新開発の「鹿島スラッシュカット工法」で解体中





 これは「鹿島スラッシュカット工法」の施工フローで3番目にあたる地上階で行われる小割解体の様子です。吊り下ろされた大割ブロックを地上で解体しています。




世界貿易センタービルディング

 2023年1月20日に北西側から撮影した「世界貿易センタービルディング」(地上40階、最高高さ162.59m)です。鹿島建設が開発した「鹿島スラッシュカット工法」で解体工事が行われており、見た感じでは7階程度まで解体が進んでいます。



世界貿易センタービルディング

 西隣にある「日本生命浜松町クレアタワー」のデッキから撮影。解体工期は2023年3月31日までとなっています。



世界貿易センタービルディング

 「世界貿易センタービルディング 南館」のデッキから撮影。タワークレーンの右下にある開口部が「鹿島スラッシュカット工法」によって吊下ろした大割ブロックを取り出す場所となっています。



世界貿易センタービルディング

 手前は別館の跡地でA-2棟の建設工事が行われています。



世界貿易センタービルディング

 反対の北東側から撮影。左のビルが「世界貿易センタービルディング 南館」(地上39階、高さ197.317m)で、右のビルが「日本生命浜松町クレアタワー」(地上29階、高さ156m)です。「世界貿易センタービルディング」の解体後の跡地にはこれらよりも高い地上46階、高さ約235mの超高層ビルが建設されます。



世界貿易センタービルディング

 解体中の「世界貿易センタービルディング」にズームです。東京モノレールと書いてある場所の左側には東京モノレールの浜松町駅があり、その駅舎も建替えが行われます。



世界貿易センタービルディング

 北側にある「文化放送メディアプラス」に繋がるデッキから撮影。姿を消すまであともう少しです。



世界貿易センタービルディング

 東側にある「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」のデッキから撮影。今まで見えなかった「六本木ヒルズ」が見えるようになってきています。



世界貿易センタービルディング

 解体工事が始まった頃からの比較です。解体はあっという間です。1年前はまだ最上部まで見えていたのがここまで解体が進んでいます。









世界貿易センタービルディング既存本館・別館解体

 解体工事のお知らせです。

■物件概要(建替え前)■
名称:世界貿易センタービル
所在地:東京都港区浜松町二丁目4-1
用途:オフィス、ホール、店舗、展示場、バスターミナル
階数:地上40階、地下3階
高さ:152m(最高高さ162.59m)
構造:鉄骨造(高層部)、鉄骨鉄筋コンクリート造(低層部および地下)
敷地面積:16,080.99
建築面積:9,573.17
延床面積:153,941.22
建築主:東京ターミナル(現:世界貿易センタービルディング)
設計者:日建設計、武藤研究室(武藤構造力学研究所)
施行者:鹿島建設
工期:1967年8月着工〜1970年3月竣工

解体発注者:世界貿易センタービルディング
解体施工者:鹿島建設
解体工期:2021年8月1日〜2023年3月31日




(仮称)浜松町二丁目4地区A街区 建築計画のお知らせ

 建築計画のお知らせです。

■物件概要(建替え後)■
計画名称:(仮称)浜松町二丁目4地区A街区(A-1棟)
所在地:東京都港区浜松町二丁目5番22,37,48他
交通:JR山手線・京浜東北線「浜松町」駅
   東京モノレール「浜松町」駅
   都営大江戸線・浅草線「大門」駅
用途:バスターミナル、タクシープール、ステーションコア、事務所、店舗、駐車場、駅舎、ホテル等
階数:地上46階、塔屋2階、地下3階
高さ:約235m
構造:鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造
基礎工法:直接基礎
敷地面積:15,726.55屐A棟全体)
建築面積:14,500屐A棟全体)
延床面積:305,000屐A棟全体)
建築主:世界貿易センタービルディング、鹿島建設、東京モノレール、東日本旅客鉄道
設計者:鹿島建設
施行者:鹿島建設
工期:2021年8月(解体含む)〜2027年2月竣工予定(A街区)