世界貿易センタービルディング

 解体工事中の「世界貿易センタービルディング」(地上40階、最高高さ162.59m)です。2022年9月15日に撮影しました。「鹿島スラッシュカット工法」によって解体工事が進められており、どんどん低くなっています。この記事では同ビルの解体状況や建替え概要、地図等を載せています。




世界貿易センタービルディング

 解体工事中の「世界貿易センタービルディング」の規模は地上40階、地下3階、高さ152m、最高高さ162.59m、敷地面積1万6080.99屐建築面積9,573.17屐延床面積15万3941.22屐建築主は東京ターミナル(現:世界貿易センタービルディング)、設計者は日建設計、武藤研究室(武藤構造力学研究所)、施行者は鹿島建設で1967年7月着工し、1970年3月に竣工しました。

 そして2021年6月30日に閉館し、現在は2021年8月1日〜2023年3月31日の工期で鹿島建設によって解体工事が行われています。解体工事には鹿島建設が新たに開発した「鹿島スラッシュカット工法」が採用されています。



浜松町二丁目4地区 外観イメージ
外観イメージ[出典:鹿島建設]

 解体後の跡地には建設される超高層ビルの完成予想図です。A-1棟が建替え後の姿で「(仮称)浜松町二丁目4地区A街区(A-1棟)」(地上46階、高さ235m)として建設工事が行われます。A-2棟は別館の建替え後の姿で、A-3棟は既に開業している「世界貿易センタービルディング 南館」(地上39階、高さ197.317m)です。

 A-1棟の規模は地上46階、塔屋2階、地下3階、高さ約235mで、A-3棟(南館)も含むA棟全体の敷地面積は1万5726.55屐建築面積は1万4500屐延床面積は30万5000屬箸覆蠅泙后7築主は世界貿易センタービルディング、鹿島建設、東京モノレール、東日本旅客鉄道、設計者と施行者は鹿島建設で2027年2月の竣工予定となっています。



浜松町二丁目4地区 施設構成及び敷地外貢献の内容
施設構成及び敷地外貢献の内容[出典:鹿島建設]

 A-1棟の低層部にはJR、モノレール、バス、タクシー、地下鉄など各交通機関を繋ぐ縦動線のステーションコアなどが配置され、低中層部はオフィスフロア、高層部は国際水準のホテルとなります。

 A-2棟にはレセプション会場やDMO活動施設、屋上広場が整備されます。DMOとはDestination Management/Marketing Organizationの略で観光地域づくり法人のことで観光地域づくりの舵取り役となります。



浜松町二丁目4地区 大通り側の緑化
大通り側の緑化[出典:鹿島建設]

 竹芝方面に繋がる幹線道路に面した北側低層部にはデッキが整備され緑化も行われます。



浜松町二丁目4地区 屋上緑化
屋上緑化[出典:鹿島建設]

 別館のあったA-2棟部分は東側にある「旧芝離宮恩賜庭園」と繋がりを意識した屋上緑化が行われます。



浜松町二丁目4地区 屋上庭園イメージ
屋上庭園イメージ[出典:内閣府]

 A-2棟には屋上庭園も整備され「旧芝離宮恩賜庭園」方面を眺められるようになります。



東京モノレール 浜松町駅 外観イメージ
東京モノレール 浜松町駅 外観イメージ[出典:東京モノレール]

 A街区にある東京モノレール浜松町駅の駅舎も2029年12月の竣工予定で建替えが行われます。



整備後の浜松町駅周辺イメージパース
整備後の浜松町駅周辺イメージパース[出典:野村不動産]

 「世界貿易センタービルディング」の建て替え後のビル内にはJR、東京モノレール、都営地下鉄、バスターミナル、タクシープール等の交通施設をスムーズに繋ぐステーションコアが整備されます。

 また、JR浜松町駅上空にはゆりかもめの「竹芝」駅まで繋がる北口自由通路と新たな北口改札が整備され、旧芝離宮恩賜庭園と線路の間に歩行者専用道路が整備されたりと浜松町エリアは大きく変貌を遂げます。詳細は当ブログに掲載した『浜松町駅エリアの整備計画について詳細が公開!北口自由通路・南口自由通路・ステーションコアなどを整備』をご覧ください。



浜松町二丁目4地区 駅前拠点
駅前拠点[出典:内閣府]

 ステーションコアが完成することにより大門駅や浜松町駅への動線がわかりやすくなります。



浜松町二丁目4地区 配置図
配置図[出典:鹿島建設]

 「世界貿易センタービルディング」の建替えが行われているA街区にはA-1棟〜A-3棟とモノレール棟があります。A-3棟は既に開業済みの「世界貿易センタービルディング 南館」で、それ以外はこれから全て建て替えられることになります。

 建替え後のビルにはステーションコアが整備され、JR山手線・京浜東北線「浜松町」駅、東京モノレール「浜松町」駅、都営大江戸線・浅草線「大門」駅全てに直結します。また、隣のB街区「日本生命浜松町クレアタワー」やC地区で建設中の「WORLD TOWER RESIDENCE(ワールドタワーレジデンス)」ともデッキで接続される計画となっています。




鹿島スラッシュカット工法のフロー図
鹿島スラッシュカット工法のフロー図[出典:鹿島建設]

 「世界貿易センタービルディング」の解体工事は鹿島建設が開発した新工法「鹿島スラッシュカット工法」が適用されています。これは切断後から支保工を存置せずに隣接するスラブが荷重を支えて落下を防ぐ「斜め切断カッター」によりスラブを先行解体し、そして躯体を大割ブロック化したものをビル内部に穴を開けた大型揚重開口から吊り下ろして、地上で大割ブロックを小割解体する工法となっています。

 地上に下ろすまでは建物内部の密閉空間内で完結する工法のため、解体材等の風散・飛散など様々なリスクを低減し、騒音の低減や施工中のCO2排出量の削減など環境にもやさしい工法となっています。同工法の施工フローは以下のようになっています。

1. 密閉された建物内部で「斜め切断カッター」によりスラブを先行解体
2. 躯体を切断して大割ブロック化
3. 大割ブロックを建物内部の大型揚重開口より吊下ろし、地上階で小割解体
4. せり下げ足場を逆クライミングし、次の下層フロアを解体

▼鹿島建設:プレスリリース(2022年7月13日)
国内最高!162mのビルを新開発の「鹿島スラッシュカット工法」で解体中



鹿島スラッシュカット工法 斜め切断カッター
斜め切断カッター[出典:鹿島建設]

 「斜め切断カッター」の図解です。詳しくは鹿島建設のプレスリリースをご覧ください。他の新技術についても掲載されています。





 これは「鹿島スラッシュカット工法」の施工フローで3番目にあたる地上階での小割解体の様子です。吊り下ろされた大割ブロックを地上でガリガリと解体されています。




世界貿易センタービルディング

 2022年9月15日に撮影した解体工事中の「世界貿易センタービルディング」(地上40階、最高高さ162.59m)です。これは「世界貿易センタービルディング 南館」のデッキから見た様子で、25階くらいまで解体が進んでいました。



世界貿易センタービルディング

 A-2棟の建設地となる別館は既に解体されており、何らかの工事が始まっています。



世界貿易センタービルディング

 上部は構台のように見えますが、下の方はA-2棟のビル本体の一部になるのでしょうか。今までこういった現場は見たことがないのでよくわかりません。建築計画のお知らせではA2棟は2022年5月半ばの着工となっています。



世界貿易センタービルディング

 西隣にある「日本生命浜松町クレアタワー」のデッキから見たA-2棟部分です。



世界貿易センタービルディング

 こちらは解体工事中の「世界貿易センタービルディング」側です。



世界貿易センタービルディング

 西側の開口部です。この開口部の中には大型揚重開口がビルの上まで続いており、切断された大割ブロックがタワークレーンで吊り下ろされ、この開口部から外に出して小割解体します。



世界貿易センタービルディング

 北東側の文化放送のビルに繋がるデッキから撮影。見た瞬間に低くなったことがわかります。



世界貿易センタービルディング

 上部に東京モノレールの駅があるビル本体の東側です。



世界貿易センタービルディング

 下の方では一部解体されたような跡がありました。東京モノレールの駅機能を維持したままどう建替え行くのかも気になるところです。



世界貿易センタービルディング

 東側の竹芝方面と繋がるデッキから撮影。



世界貿易センタービルディング

 汐留方面に繋がるデッキから撮影。左のオフィスビルが「世界貿易センタービルディング 南館」(地上39階、高さ197.317m)で、「世界貿易センタービルディング」の跡地に建設されるビルはそれよりも高い地上46階、高さ約235mとなります。



世界貿易センタービルディング

 「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」のデッキから撮影。



世界貿易センタービルディング

 解体工事が始まった頃からの比較です。どんどん低くなっていることがわかります。









世界貿易センタービルディング既存本館・別館解体

 解体工事のお知らせです。

■物件概要(建替え前)■
名称:世界貿易センタービル
所在地:東京都港区浜松町二丁目4-1
用途:オフィス、ホール、店舗、展示場、バスターミナル
階数:地上40階、地下3階
高さ:152m(最高高さ162.59m)
構造:鉄骨造(高層部)、鉄骨鉄筋コンクリート造(低層部および地下)
敷地面積:16,080.99
建築面積:9,573.17
延床面積:153,941.22
建築主:東京ターミナル(現:世界貿易センタービルディング)
設計者:日建設計、武藤研究室(武藤構造力学研究所)
施行者:鹿島建設
工期:1967年8月着工〜1970年3月竣工

解体発注者:世界貿易センタービルディング
解体施工者:鹿島建設
解体工期:2021年8月1日〜2023年3月31日




(仮称)浜松町二丁目4地区A街区 建築計画のお知らせ

 建築計画のお知らせです。

■物件概要(建替え後)■
計画名称:(仮称)浜松町二丁目4地区A街区(A-1棟)
所在地:東京都港区浜松町二丁目5番22,37,48他
交通:JR山手線・京浜東北線「浜松町」駅
   東京モノレール「浜松町」駅
   都営大江戸線・浅草線「大門」駅
用途:バスターミナル、タクシープール、ステーションコア、事務所、店舗、駐車場、駅舎、ホテル等
階数:地上46階、塔屋2階、地下3階
高さ:約235m
構造:鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造
基礎工法:直接基礎
敷地面積:15,726.55屐A棟全体)
建築面積:14,500屐A棟全体)
延床面積:305,000屐A棟全体)
建築主:世界貿易センタービルディング、鹿島建設、東京モノレール、東日本旅客鉄道
設計者:鹿島建設
施行者:鹿島建設
工期:2021年8月(解体含む)〜2027年2月竣工予定(A街区)