世界貿易センタービルディング

 解体工事中の「世界貿易センタービルディング」(地上40階、最高高さ162.59m)です。2022年8月22日に撮影しました。最上部から「鹿島スラッシュカット工法」によって解体工事が行われており、一目見てすぐに低くなったとわかるくらい解体が進んでいます。この記事では同ビルの建替え概要や解体状況、地図等を載せています。




世界貿易センタービルディング

 解体中の「世界貿易センタービルディング」の規模は地上40階、地下3階、高さ152m、最高高さ162.59m、敷地面積1万6080.99屐建築面積9,573.17屐延床面積15万3941.22屐建築主は東京ターミナル(現:世界貿易センタービルディング)、設計者は日建設計、武藤研究室(武藤構造力学研究所)、施行者は鹿島建設で1967年7月着工、1970年3月に竣工し、2021年6月30日に閉館しました。そして現在は2021年8月1日〜2023年3月31日の工期で鹿島建設によって解体工事が行われています。解体工事には新開発した「鹿島スラッシュカット工法」が採用されています。



浜松町二丁目4地区 外観イメージ
外観イメージ[出典:鹿島建設]

 解体後の跡地に建設される超高層ビルの完成予想図です。A-1棟が「世界貿易センタービルディング」(地上40階、最高高さ162.59m)の建替え後の姿で「(仮称)浜松町二丁目4地区A街区(A-1棟)」(地上46階、高さ235m)として建設工事が行われます。A-2棟は別館があった場所で、A-3棟は既に開業している「世界貿易センタービルディング 南館」(地上39階、高さ197.317m)です。



浜松町二丁目4地区 外観イメージ
外観イメージ[出典:鹿島建設]

 A-1棟の規模は地上46階、塔屋2階、地下3階、高さ約235m、A-3棟(南館)も含むA棟全体の敷地面積は1万5726.55屐建築面積は1万4500屐延床面積は30万5000屬嚢眩愽瑤帽餾歐綵爐離曠謄(約140室)が入る複合ビルとなります。建築主は世界貿易センタービルディング、鹿島建設、東京モノレール、東日本旅客鉄道、設計者と施行者は鹿島建設で2027年2月の竣工予定となっています。



浜松町二丁目4地区 施設構成及び敷地外貢献の内容
施設構成及び敷地外貢献の内容[出典:鹿島建設]

 A-1棟は低層部にステーションコアを中心とした施設が配置され、中層部にはオフィスフロア、高層部には国際水準のホテルが配置されます。ステーションコアとはJR、モノレール、バス、タクシー、地下鉄をエスカレータや階段によって繋ぐ縦動線のことです。

 A-2棟にはレセプション会場やDMO活動施設、屋上広場が整備されます。DMOとはDestination Management/Marketing Organizationの略で観光地域づくり法人のことで観光地域づくりの舵取り役となります。



浜松町二丁目4地区 大通り側の緑化
大通り側の緑化[出典:鹿島建設]

 北側低層部の完成イメージです。立体的な空間となります。



浜松町二丁目4地区 屋上緑化
屋上緑化[出典:鹿島建設]

 別館のあったA-2棟部分です。東側にある「旧芝離宮恩賜庭園」と繋がりを意識した屋上緑化が行われます。



浜松町二丁目4地区 屋上庭園イメージ
屋上庭園イメージ[出典:内閣府]

 A-2棟には屋上庭園も整備され「旧芝離宮恩賜庭園」方面を望められるようになります。



浜松町二丁目4地区 7階芝生広場イメージ
芝生広場イメージ[出典:内閣府]

 7階部分には整備される芝生広場は建物内にあるカンファレンスセンターと屋内外一体のレセプション会場としても使用可能となります。



東京モノレール 浜松町駅 外観イメージ
東京モノレール 浜松町駅 外観イメージ[出典:東京モノレール]

 A街区にある東京モノレール浜松町駅も2029年12月の竣工予定で建替えが行われます。



整備後の浜松町駅周辺イメージパース
整備後の浜松町駅周辺イメージパース[出典:野村不動産]

 「世界貿易センタービルディング」の建て替え後のビル内にはJR、東京モノレール、都営地下鉄、バスターミナル、タクシープール等の交通施設をスムーズに繋ぐステーションコアが整備されます。また、JR浜松町駅では北口自由通路や新たな北口改札の整備なども行われており、浜松町エリアは大きく生まれ変わります。



浜松町二丁目4地区 駅前拠点
駅前拠点[出典:内閣府]

 ステーションコアの完成予想図です。大門駅や浜松町駅への動線がわかりやすくなります。



浜松町二丁目4地区 配置図
配置図[出典:鹿島建設]

 A街区にはA-1棟〜A-3棟とモノレール棟があり、既に開業済みの「世界貿易センタービルディング 南館」(A-3棟)以外は全て建て替えられます。

 建替え後のビルからはJR山手線・京浜東北線「浜松町」駅、東京モノレール「浜松町」駅、都営大江戸線・浅草線「大門」駅全てに直結します。また、隣のB街区「日本生命浜松町クレアタワー」やC地区で建設中の「WORLD TOWER RESIDENCE(ワールドタワーレジデンス)」ともデッキで接続される計画となっています。

 JR浜松町駅周りでは「北口東西自由通路」や「港歩行者専用道第1号線」が新たに整備され、「南口東西自由通路」については再整備されます。詳細は当ブログに掲載した『浜松町駅エリアの整備計画について詳細が公開!北口自由通路・南口自由通路・ステーションコアなどを整備』をご覧ください。




鹿島スラッシュカット工法のフロー図
鹿島スラッシュカット工法のフロー図[出典:鹿島建設]

 「世界貿易センタービルディング」の解体工事は鹿島建設が開発した新工法「鹿島スラッシュカット工法」が適用されています。これは建物内部で「斜め切断カッター」によりスラブを先行解体し、躯体を切断して大割ブロック化したものをビル内部に穴を開けた大型揚重開口から吊り下ろします。そして地上で大割ブロックを小割解体する工法です。

 地上に下ろすまでは建物内部の密閉空間内で完結する工法のため、解体材等の風散・飛散など様々なリスクを低減し、騒音の大幅な低減や施工中のCO2排出量の削減など環境にもやさしい工法となっています。同工法の施工フローは以下のようになっています。

1. 密閉された建物内部で「斜め切断カッター」によりスラブを先行解体
2. 躯体を切断して大割ブロック化
3. 大割ブロックを建物内部の大型揚重開口より吊下ろし、地上階で小割解体
4. せり下げ足場を逆クライミングし、次の下層フロアを解体

▼鹿島建設:プレスリリース(2022年7月13日)
国内最高!162mのビルを新開発の「鹿島スラッシュカット工法」で解体中



鹿島スラッシュカット工法 斜め切断カッター
斜め切断カッター[出典:鹿島建設]

 鹿島建設が開発し特許出願済みの斜めにスラブを切断できる「斜め切断カッター」です。これはスラブを斜め切りすることによって切断後から隣接するスラブが荷重を支えることになり、階下にスラブの落下を防ぐ支保工を存置する必要がなくなります。そのため、先行して下層階の床解体に着手することが可能となり工期短縮を実現しています。

 他にも色々な新技術が採用されていますが、詳しくは鹿島建設のプレスリリースをご覧ください。




 これは「鹿島スラッシュカット工法」の施工フローで3番目にあたる地上階での小割解体の様子です。吊り下ろされた大割ブロックが地上でガリガリと解体されています。




世界貿易センタービルディング

 「世界貿易センタービルディング 南館」のデッキから2022年8月22日に撮影した解体工事中の「世界貿易センタービルディング」(地上40階、最高高さ162.59m)です。撮影時で29階くらいまで解体工事が進んでいるように見えました。



世界貿易センタービルディング

 別館は既に解体されていますが、基礎はそのまま使うのかキレイな床になっています。



世界貿易センタービルディング

 その床の上には構台も設置されています。



世界貿易センタービルディング

 「世界貿易センタービルディング」の本体の開口部です。この開口部の中には大型揚重開口がビルの上まで続いており「鹿島スラッシュカット工法」によって躯体を切断して大割ブロックをタワークレーンで吊り下ろし、この開口部から外に出して小割解体します。



世界貿易センタービルディング

 西隣にある「日本生命浜松町クレアタワー」のデッキから撮影した「世界貿易センタービルディング」です。以前は手前の仮囲いがなく解体現場を覗き込める場所でした。



世界貿易センタービルディング

 クレアタワーのデッキに仮囲いがない場所もありますが、そこには植栽があり柵まで近付けなくなっています。その柵が映り込んでいますがタワークレーンを見ると土台が見えない状態になっていました。



世界貿易センタービルディング

 北東側から撮影。



世界貿易センタービルディング

 東側から撮影。



世界貿易センタービルディング

 ビル本体の北側デッキ部分は床材が剥がされていました。



世界貿易センタービルディング

 東側低層部です。



世界貿易センタービルディング

 こちら側では地下部の解体工事も行われていました。



世界貿易センタービルディング

 「東京ポートシティ竹芝オフィスタワー」のデッキから撮影。



世界貿易センタービルディング

 解体工事が始まった頃と比べると随分と低くなったことがわかります。









世界貿易センタービルディング既存本館・別館解体

 解体工事のお知らせです。

■物件概要(建替え前)■
名称:世界貿易センタービル
所在地:東京都港区浜松町二丁目4-1
用途:オフィス、ホール、店舗、展示場、バスターミナル
階数:地上40階、地下3階
高さ:152m(最高高さ162.59m)
構造:鉄骨造(高層部)、鉄骨鉄筋コンクリート造(低層部および地下)
敷地面積:16,080.99
建築面積:9,573.17
延床面積:153,941.22
建築主:東京ターミナル(現:世界貿易センタービルディング)
設計者:日建設計、武藤研究室(武藤構造力学研究所)
施行者:鹿島建設
工期:1967年8月着工〜1970年3月竣工

解体発注者:世界貿易センタービルディング
解体施工者:鹿島建設
解体工期:2021年8月1日〜2023年3月31日




(仮称)浜松町二丁目4地区A街区 建築計画のお知らせ

 建築計画のお知らせです。

■物件概要(建替え後)■
計画名称:(仮称)浜松町二丁目4地区A街区(A-1棟)
所在地:東京都港区浜松町二丁目5番22,37,48他
交通:JR山手線・京浜東北線「浜松町」駅
   東京モノレール「浜松町」駅
   都営大江戸線・浅草線「大門」駅
用途:バスターミナル、タクシープール、ステーションコア、事務所、店舗、駐車場、駅舎、ホテル等
階数:地上46階、塔屋2階、地下3階
高さ:約235m
構造:鉄骨造、鉄筋コンクリート造、鉄骨鉄筋コンクリート造
基礎工法:直接基礎
敷地面積:15,726.55屐A棟全体)
建築面積:14,500屐A棟全体)
延床面積:305,000屐A棟全体)
建築主:世界貿易センタービルディング、鹿島建設、東京モノレール、東日本旅客鉄道
設計者:鹿島建設
施行者:鹿島建設
工期:2021年8月(解体含む)〜2027年2月竣工予定(A街区)