帝国ホテル東京 新本館イメージパース
新本館イメージパース[出典:帝国ホテル]

 帝国ホテルより2036年完成予定の「帝国ホテル東京 新本館」の建設に向け、フランス在住の建築家、田根剛氏(ATTA- Atelier Tsuyoshi Tane Architects)のデザイン案を採用すると発表がありました。帝国ホテル東京の建て替えは今年の3月25日に発表されており、その後は環境影響評価書案や東京都都市再生分科会の配布資料で概要やデザイン等が公開されていましたが建築家の名前は出ていませんでした。

 帝国ホテルは新本館に求める「品格・継承・挑戦」という3つのキーワードのもとコンペティションを実施し、帝国ホテルの歴史・理念を十分に把握し、次世代の日本のホテル文化をリードする「新しいグランドホテル・迎賓館」にふさわしく、近景、遠景、どこから見ても「ザ・ホテル」を体現するデザインを共に創り上げることができる提案を求めていました。

 田根剛氏は、独自のアプローチである考古学的リサーチによりホテル業そのものを考察。賓客を迎え入れる「宮殿」の構えと人類の進歩の証である「塔」を融合することで、ライト館を形容する言葉として使われた「東洋の宝石」を継承し、未来につなげるコンセプトを提案しました。帝国ホテルは「帝国ホテルの歴史を深く考察し、それに立脚して未来につながる建物を造る」というアプローチ姿勢を高く評価し、田根氏の起用を決定し現在も協議を重ねているとのことです。

▼帝国ホテル:ニュースリリース(2021年10月27日)
2036年に完成予定の帝国ホテル 東京 新本館 デザインアーキテクトとしてATTA・田根 剛氏の起用を決定

▼内閣府:第19回 東京都都市再生分科会 配布資料(2021年6月29日)
資料1 内幸町一丁目北特定街区・内幸町一丁目北地区再開発等促進区を定める地区計画 都市計画(素案)の概要



内幸町一丁目街区 位置図
位置図[出典:内閣府]

 場所は日比谷公園の東側に位置しており日比谷駅、内幸町駅、有楽町駅、新橋駅などが徒歩圏です。この図では帝国ホテル以外も赤い枠で囲まれていますが、この赤枠内で一体的な大規模な再開発が行われます。



内幸町一丁目街区 配置図
配置図[出典:内閣府]

 再開発は内幸町一丁目街区を北地区、中地区、南地区と3つの地区に分けて行われますが、このうち帝国ホテルは北地区に位置しています。



内幸町一丁目街区 イメージパース
イメージパース[出典:内閣府]

 帝国ホテルとしては「帝国ホテルタワー」を鬼工事(2024年度〜2030年度)で地上46階、高さ約230mのノースタワーに建て替え、挟工事(2031年度〜2036年度)で「帝国ホテル東京 本館」を地上29階、高さ約145mの新本館へ建て替えます。

 中地区のセントラルタワーは地上46階、高さ約230m、南地区のサウスタワーは地上43階、高さ約230mの超高層ビル建設が計画されています。



帝国ホテル東京 新本館・ノースタワー 断面図
新本館・ノースタワー 断面図[出典:東京都]

 新本館はホテル、ノースタワーは低層部に商業施設、中層部にオフィス、そして高層部にホテルで構成されます。



帝国ホテル東京 ノースタワー 断面図
ノースタワー 断面図[出典:東京都]

 ノースタワーのホテル部は一部セットバックしており、また低層部は高さ31mでデザインの変換点としての表情線を設ける計画となっています。



帝国ホテル東京 新本館 断面図
新本館 断面図[出典:東京都]

 新本館は高さ31mでセットバックし、高層階に行くにつれて階段状にセットバックするデザインとなっています。ニューヨークの古い超高層ビルではよくあるデザインですが、日本ではあまり見かけないデザインです。



内幸町一丁目街区 イメージパース
イメージパース[出典:内閣府]

 日比谷公園側から見た完成予想図です。中地区のセントラルタワーは地上46階、高さ約230m、南地区のサウスタワーは地上43階、高さ約230mと新本館より遥かに高い超高層ビルが並びますが、どこから見ても「ザ・ホテル」を体現するデザインを求めていただけあって存在感のあるホテルとなりそうです。



内幸町一丁目街区 イメージパース
イメージパース[出典:内閣府]

 また、セントラルタワーからは日比谷公園に繋がる大規模なデッキの整備も計画されています。



(仮称)内幸町一丁目街区 開発計画

 日比谷公園から見た内幸町一丁目街区方面です。左が帝国ホテルのある北街区、中央が中街区、右が南街区となっています。

 中央は「日比谷U-1ビル」で地上26階、高さ109.3m、1984年竣工、右端は「みずほ銀行内幸町本部ビル」で地上32階、最高部高さ140m、1981年竣工でこれらよりも遥かに高い230mの超高層ビルが建ち並ぶことになります。



帝国ホテル

 現在の帝国ホテルです。まずは背後の「帝国ホテルタワー」(地上31階、高さ29.1m)の建て替えから始まるので、こちらの「帝国ホテル東京 本館」はしばらく残ります。



帝国ホテルタワー

 首都高から360度動画撮影した「帝国ホテルタワー」です。





 9分19秒あたりから左にカメラを向けると現在の内幸町一丁目街区を見ることができます。



(仮称)内幸町一丁目街区 開発計画(北地区) 全体工事工程
全体工事工程[出典:東京都]

 スケジュールは鬼工事として2024年度から「帝国ホテルタワー」の解体を開始し2030年度にノースタワーが竣工予定となっています。挟工事として2031年度から新本館を解体し、新本館を建設、その後、駐車場棟を解体して2036年度に工事が完了する予定となっています。

■物件概要■
事業名:(仮称)内幸町一丁目街区 開発計画(北地区)
所在地:東京都千代田区内幸町一丁目1番1号 他
用途:オフィス、宿泊施設、商業及び駐車場等
階数:地上46階、地下4階(鬼:ノースタワー)、地上29階、地下4階(挟:新本館)
高さ:約230m(鬼:ノースタワー)、約145m(挟:新本館)
構造:鉄骨鉄筋コンクリート造(地下)、鉄骨造(地上)
区域面積:約2.4ha
延床面積:約42万
事業者:帝国ホテル、三井不動産(代表事業者)
工期:2024年度着工〜2030年度竣工予定(鬼:ノースタワー)、2031年度着工〜2036年度竣工予定(鬼:新本館)
供用開始:2037年度予定(最終共用分)
※工期には解体工事も含みます。